買い支えの厚いゴールドと実質金利
FX
FOMCで1750ドルをつけてからゴールドは100ドルを超える上昇をしています。
テーパリングも決まって利上げも控えているのでベア方向に見ている方も多かったと思いますがそうはなりませんでした。
当記事でも何度か触れてきていますが理由の一つは実質金利の低下です。
実質金利とは名目金利から物価上昇率を引いたものですが、言い換えると”現金”/”モノ”という通貨ペアだと思って貰うとイメージが付きやすいかもしれないですね。
名目金利は預金時に貰える将来の金利(厳密には違うのですが割愛)だとすると
現在は米10年金利が1.56%付近です。
一方で10年期待インフレ率(BEI)
2.73%付近を推移しています。
インフレ率の高まりが各所で報道されているので不思議はないと思いますが、この赤い水平線は10年目のリーマンショック後大規模緩和が行われた際に進んだ期待インフレ率の上限です。
当時よりも現在はインフレが進んでいる状況が見て取れますので預金金利でもらえる額よりも物価の上昇の方が進んでいることになります。
そしてその差は米金利が上がる速度よりも早く物価上昇が進んでいるので現金を持っているだけで損をし続けていくことになります。
いずれは反転するとは思いますが、少なくともインフレ率に陰りが見え始めないことには多少米金利が上昇し始めたとしても格差は縮まらないと認識しておいて良いでしょう。
コロナ対応の緩和が始まって以来実質金利は広がり続けています。
株価や暗号資産、商品、食品、サービスとあらゆるモノの価格が上昇していることはこうした金利差を反映した結果と言えます。
先日のCPIは前月にでた前年比5.4%というとても高いインフレ率を出しましたがエコノミスト予想の5.8%を大きく超え6.2%という結果になりました。
瞬間的に米国債が売られたことでドルが上昇。
ドルの上昇を反映し、ゴールドはやや下振り後に徐々に買われて1830ドルの水平線を抜けてきたことになります。
期待インフレ率が急騰したことによりゴールドが買われたといえます。
ドル建てで買うゴールドはこの局面では価値保存の役割を存分に果たせると考えられます。
結果的には金利上げでドルも買われ、それ以上にゴールドの価値が上昇したことからドル建てのゴールドは価格レートの見かけ以上に買われていると言えます。
ではテクニカル面からゴールドの上昇目処を分析したいと思います。
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