一目の雲の果て…雇用統計/FOMC
FX
本書を手に取った方は一体何を望むだろうか。FXでの勝利だろうか、億トレーダーになることだろうか、働かなくても遊んで暮らせる不労所得だろうか。
私は残念ながらまだその道の途中である。10年を超える長い歳月を費やし、ついに一つの山の峠を超えた。そう、FXでの勝利である。私は確信している。このまま進めば良い。このまま進めば私の望むものは手に入るのだ、と確固たる自信を得た。
なぜこの不確かな相場の世界でこんなに力強いことを言えるのか、その理由は10年の経験からではない。その理由は蓄積された10年のデータを分析した貴重な情報である。
果たしてこの10年に意味があったのだろうか、もしかしたらあまり強い意味はないかもしれない。しかし時や運命、そして巡り合わせというものは時に残酷で時に優しい微笑みをくれる。
私が初めてFXというものの存在を知ったのはいまから10年以上前、私が大学生の時のことだ。いや正確には少し違う。一つ嘘をついてしまったことを詫びなくてはいけない。私はその時まだ大学に入っていなかった。
京都の大学への進学を目指したものの受験に失敗し浪人生として生活していた。高校の時一緒に受験勉強を共に戦った友人は地元の東北の大学に通っていた。
その戦友らと浪人生の身分であるため頻繁にとはいかなかったがたまに会食などをしていた。当時世間を席巻していたのは新しいiPhoneだ。スティーブ・ジョブズのこの世に生み出したiPhoneに魅了された世間は、いや世間というにはその頃の私達の世間はまだとても小さいものに過ぎなかったかもしれないが、やれ新しいiPhoneだ、スマートフォンだとなりアプリという言葉もこの時誕生したと言っても過言ではないだろう。
イノベーションやベンチャーというアクテビティが若者の世界で私達の小さな目から見たらビックウェーブになっていた。友人Mはまさにスティーブ・ジョブズに魅せられた若者の一人だった。
彼は学生起業をしようと高校時代や大学の友人の男女を集めベンチャーを起こそうとしていた。
まだ幼かった私達にとってそれは浅はかだったかもしれない。しかし私達にとって見える世界は村上春樹の小説の世界の中のように澄んで美しく、時に苦く甘いものだという希望に輝いていた。
友人Mの打ち立てたプランを簡潔にまとめるとFXで資金を調達し、その資金を元に大きなビジネスを起こすというものだった。彼にはアイデアが豊富だったのでもちろん案はこれだけではなかったが、私の錆びつきつつまた磨かれようとしている記憶の中では、彼のベンチャー・イノベーションプランはFXで資金集めそしてiPhoneのアプリ開発であった。中身が伴っていればまったく馬鹿げた話ではないかもしれない。友人Mのプランには中身もあった。
雇用統計だ。
米国の雇用統計の日は相場が大きく動く。その大きな動きに合わせて為替の売買を繰り返せば確実に近い利益を得られるという手法が流行っていた。iPhone4が流行っていたこの時の雇用統計はポストコロナショックと比べまるでiPhoneの破竹の勢いのごとく大きく動いた。友人Mはもちろん馬鹿なやつではなかったので、ちゃんと戦略もあったのだ。果たして雇用統計やFOMC等の大きく動く指標に優位性はあるのか。時計の針を現在まで勧めて検証してみよう。
データ検証
No.1
雇用統計・FOMC等の経済指標・ファンダメンタルズ
優位性76%
これから大きく10種類に分類した手法について検証していこうと思う。優位性75%というのは優位性の目安で100に近いほど優位、50以下は優位ではないということとする。
私の紹介する手法は主にテクニカルの目線で考えられている。しかし経済指標などのファンダメンタルズを抜きにしてFXは語れない。特に重要な指標はFXトレーダーとして意識しておきたいところだ。
iPhone4がは世間を席巻していた頃と比べると雇用統計・FOMC等の時の動きは小さくなっているかもしれない。しかしながらドル円等の為替通貨でも50~100Pips(50銭~1円)動くこともあるビッグイベントだ。
ドル円が1円動く際、1ロット(10万通貨)のポジションを持っていればおよそ10万円の損益を得ることができる。
雇用統計・FOMC等の経済指標がどのようなもので、他にどのようなものがあるかは各々iPhoneのような文明の申し子でGoogle先生などに聞いてほしい。
話を戻そう。しかしそれは諸刃の剣だ。大きく相場が動くときは大きな損失を出す可能性も十分に考えられる。
計算違いの損失を避けるためには大きなイベントのスケジュールは少なからず頭に入れておく必要がある。
この文章を書いている数日前にもFOMCの重要な経済指標があった。私は運良く50Pips近くの利益をドル円のトレードで得られた。ドル円をBuyしていた。
しかし私はドル円が上がるという予測をしていたわけではない。正直なところどちらに動くかわからない。たまたまそれまでのトレードでBuyを持っていたからそれを持ち続けただけだ。
それでは所謂ギャンブルトレードやお祈りトレードになってしまうのではないかと思う方もいるだろう。
はっきりというとFXは上がるか下がるかを当てるゲームではない。コイントスで上下を決めても実力者なら利益を出すことができる。FXは9割が負けるゲーム。もしあなたがFXを上か下かを当てるゲームだと思っているならきっとその9割の中のひとりだろう。
もし思い当たることがあったらぜひ次のページをめくってみてほしい。
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