ナンシー・ペロシの訪台ヘッドラインに注意
1991年代にタイムスリップしたように2022年夏はナンシー・ペロシ(敬称略)がメディアを賑わせている。
2日にもペロシ下院議長が訪台するとのヘッドラインがSNSで広がった。
確報を報じたところは今のところ見かけていないが、そこはペロシである。
ギリギリまで何するかわからないのが御年82歳を迎える彼女。
過去にも民主化活動の歴史的な出来事である天安門事件が起こった1989年の2年後、議連団として北京を訪中していたナンシー・ペロシは正規スケジュールを無視して抜け出し天安門広場を電撃訪問し「中国のために犠牲になった人たちへささぐ」と英文、中文で横断幕をテレビカメラの前で掲げた。(興味のある方はWikipediaに乗っているのでご覧ください。)
そもそもこの女傑は人権問題に積極的で、対中強硬姿勢を政治信条に掲げている。
昨今台湾海域で繰り返される中国の軍事行動などがずっと気に入らなかったのだろうと推察される。
彼女本人はさておき、周囲の反応はどうなのか?と考えるとバイデン大統領もさすがにこのパフォーマンスには眉をしかめている。
政権側としても「余計なお世話」であり、恐らく彼女以外誰も望んでいない(心情はともかくアンバランスな米中の現在を鑑みてやることではない)
確報が出るのはギリギリもしくは到着してからになるだろう。
勝手に正規訪問から抜け出すほどの自由人にスケジュールの概念は通用しない。
アジア圏を歴訪しているので数時間で到達できる距離におり、気分で訪問できるくらいの気楽さで構えていそうだ。
一方軍事的緊張は高まりを見せている。
政府要人警護のために確報はともかくロナルド・レーガン空母打撃群は台湾海域に向けて航行中。
また特殊部隊輸送航空機も台湾に向け移動を開始。
ちょっとしたテロくらいなら鎮圧出来そうなくらいの騒ぎである。
軍事的緊張を高めるというよりも迷惑な訪台に万が一があると、米国も強気に出ざるをえないがための予防的措置に見える。
繰り返すが”迷惑”である。
ホワイトハウスは声明で訪台について緊張をエスカレートしないように中国に繰り返し求めている。
ペロシ下院議長は軍用機で移動しているため、ギリギリまでどうなるかはわからないが出発すればアメリカ政府から声明が出るだろう。
マーケットへの影響はリスクオフで反応すると考えられる。
アジア市場は円買いが進みやすく、米金利との金利差よりも影響は大きいだろう。
株式市場も今は反応が見られないが緩やかにVIXも上昇ラインは上昇してきているため、確報が流れれば1%程度の下落は息を吸うように起こる可能性がある。
そもそもショートカバーラリーが続いていることと、短期勢は買いで入っていることから短期勢によるロングの利確がテクニカル的にも出やすい水準のため、本日夜のFed高官発言と会わせて連鎖的動きになる可能性は高い。
ただ訪台は早くて日本時間夜でヘッドラインがいつ出るかもわからず、構えておくくらいしか出来ることはないだろう。
不自然な下落を始めたら飛び乗ってみるのも一興か。
先にFed発言が出てくれれば・・・とも思うがペロシ次第である。
コンセンサスとなっていた予想はともかく前月対比で各国指標が悪化している。
中国、欧州、米国とPMI、ISMの発表が相次ぎ世界規模で景気指数の悪化が確認された。
こうした中で、原油価格は下落を強め、一時92ドル台と約8%程の下落を見せた。
昨日の記事でも触れたが"Bad News" is "Good News"な展開。
米金利は下落を強め株式市場は横ばいながらも底堅さを示している。
米紙メディアでは段々と株高はFRB政策に好ましくない記事が散見されるようになってきた(大分遅いが)
当記事でも何度も触れているので今更言うことではないのでここでは割愛するが8月相場見通しを見る中で、7月対比で考えるとインフレ指標や雇用指標などは相対的に現在の株式市場にとって下方リスクを抱える一ヶ月になる。
ヘッドラインはともかくエネルギー食品などを除くコアCPIは恐らくあまり鈍化を見せず、雇用も然程緩まずタイトに出るだろう。
いずれかのタイミングで再度引き締めを織り込む可能性は高いが、マーケットが確信を得るにはFedなのか指標なのか何とも言えないところ。
所謂閑散に売り無しも十分にあるこの8月。
値動きはあるものの勝負を賭けるに値するかはよく考えて臨むべきだろう。
中期トレンドラインを少し変更。
33200ドル程度を抵抗上限に変更。
メインシナリオの変更はなし。
タイミングは何とも言えないがFed発言から雇用統計の間をシナリオ上の天井と見込む。
下方リスクは多く抱えているためどれがきっかけになるかは正直わからない。
機関投資家がまだトレードしていればしっかり反応するのだろうが、残念ならサマー休暇の最中である。
ただこの水準はテクニカル面から見ても勝負をしていいレート帯ではあり、逆に言えばここを上下どちらも抜けてきた段階でポジションを取ることが非常に難しくなるだろう。
消去法的意味合いでもショートを狙わざるを得ない場面かもしれない。
NASDAQはチャート自体綺麗に推移しているのだが背中が難しい。
13000ドルオーバーは叩かれ押し戻されている。
トレンドライン回帰まで見ると13500ドル程度までの開きがあり4%近い。
この間売り上がるにはリスクがやや高いため短期チャートのダウ理論崩壊を待つ形になるだろう。
短期的には12800ドルレベルを下回って推移し始めると売りやすくなるかもしれない。
大味な展開が続くドル円は131.5円のサポートに到達している。
少なくとも転換点となりうるのはNY時間に入ってからで東京午前にこの水準に来ている今現在ロングは取りにくい。
ペロシネタはリスクオフ内容で円買いを誘発させやすくFRBの誘導水準よりもそれは優先されるだろう。
ファンダ考慮せずに入るのであれば131.2辺りに損切りを置いた上でリスク3ー40PIPS程度で134円付近まで狙う形になる。
リスクリワードは悪くない。
フィボナッチが抵抗になり上昇を止めているゴールドは短期テクニカル上1787ドル付近のレジサポ転換に期待か。
個人的には現在の水準でもいいのだが、これもペロシが邪魔している。
そもそもこちらの上昇も2023年初旬に利下げを織り込んだためであり、そのうち剥がれる事が予想されるため狙うなら売りだろう。
水準的にはそろそろだが・・突発的なリスクオフがある以上レバレッジには十分な注意が必要。
影響度的にはホワイトハウスも消極的ところ考えると強めの牽制と軍事演習、威嚇射撃程度と想定される。
そのためマーケットの影響はマクロ的には限定的もミクロ的には影響大と言ったところか。
本日は経済指標は目立つものがない。
23時頃、エバンス総裁
26時頃、メスター総裁
明けて朝方7時半過ぎにブラード総裁の発言が予定されている。
よろしいですか?