今週の予測
柴田罫線からみた相場観測
<今週は、NYダウの動きをみながら下値を確認するところ>
先週は、FRBの金融引締めの強化を再び警戒する動きとなり、週前半に大きく下げ、その後は、下げ過ぎの見方もあり、週後半は買い戻しもあってもみあっていましたが、日経平均は4週ぶりの下落となりました。
しかし、引け後の米国市場でパウエル議長の講演内容が「景気抑制的な金融政策をしばらく維持する必要がある」と発言したことで、NYダウは▲1008ドルの急落となりました。
先週の予測では、いったん長くもみあっていたボックス圏を上放れしているので、目先は下げても27700円とし、想定レンジを28000~29300円としていました。
結果的に8月17日の29222円をピークに先週は22日(月)の28828円を高値に、24日(水)に28282円まで下げ、週末は28641円で引けました。
しかし、先週末のNYダウが▲1008ドルの32283ドルと急落し、日経先物が▲390円の28220円となったことで、今週は28000円を試す動きとなります。パウエル議長の講演は通過したものの、重要な米国経済指標の発表が目白押しとなるため、それらの内容を確認しながらの対応となります。日本株は割安感が強いものの、米国株が調整すれば影響を受けることになります。
日経平均は、NYダウと連動しやすいので、NYダウの動きをみる必要がります。NYダウは目先は24日に32828ドルまで調整して、32000ドル台にある25日移動平均線に差し掛かったところで、いったん反発する可能性はありますが、16日の34281ドルは当面の高値として意識されるところでした。
結局、週末の26日(金)に▲1008ドルの32283ドルとなって24日の安値32828ドルを切りましたので再調整の可能性があります。
この間に日経平均は、17日の29222円を目先のピークにして、24日に28282円の安値をつけたことになります。この安値は25日移動平均線(26日時点28246円)に迫っており、今週は、まずここを試し、次に28000円の大台を試すことになります。今週はしばらく様子見に徹して、再度、日経平均が17日の29222円の高値をぬくなど好転をみせるまでは手を出さないのがよいと思われます。
指標分析
日経平均
<先週の動き>
先週の予測では、8月17日に29222円と大幅上昇の高値引けとなり、需給関係が売りの踏み上げで一服しました。
目先はここをピークに下値を試すところです。週末の26日にジャクソンホール会議でパウエル議長の講演があり、利上げへの警戒感があるとしました。28000~29300円のレンジの中で下値を試す局面が考えられるとしました。
結果的に週前半の24日(水)に28282円まで下げ、週後半の25日(金)には、28792円まで上昇して、28641円で引け、28500円をはさんだもみあいとなりました。しかし、週末のパウエル議長の講演を受け、NYダウが▲1008ドルの急反落となり、シカゴの日経先物は▲390円の28220円となっています。
<今週の見通し>
今週は、先週末のNYダウの▲1008ドルの32283ドルの急反落を受け、シカゴの日経先物が▲390円の28220円となっていますので、日経平均は24日の安値28282円を試すことになりますが、この水準には25日移動平均線(26日時点28246円)があり、ここを切ると大台の28000円がフシとなりますが、NYダウの動きによっては下値模索となって27600円を下値とするもみあいとなりそうです。
NYダウ
<先週の動き>
先週の予測では、前々週の8月16日に34281ドルと3ヶ月半ぶりの34000ドル台のせで目先一服するところでした。25~27日のジャクソンホール会議とパウエル議長の講演があり、利上げを巡って警戒感が高まるとしました。いったん一服するとしましたが、週前半の22日(月)にNYダウは▲643ドルの33063ドルと続落し、23日(火)も▲154ドルの32909ドルと33000ドル割れとなりました。その後はパウエル議長の講演への過度の警戒感が和らぎ24日(水)は△59ドル、25日(木)は△322ドルの33291ドルと33000ドル台を回復しました。
<今週の見通し>
今週は、9月5日(月)のレーバー・デーの祭日を控え連休となることで、参加者は限定的となり、調整が先行しやすくなります。又、今週は雇用統計や企業の製造業景況指数などの重要経済指標を控えており、引き続き金利動向に敏感な相場の動きとなりそうです。パウエル議長の高インフレを抑制する措置により、金融引締め持続が強調され、利下げ転換期待は後退し当面の相場の重しとなりそうです。
為替(ドル/円)
<先週の動き>
先週は、週前半に137.71円まで買われたあと、経済指標の悪化を嫌気して136円を下回りましたが、週末の26日はパウエル議長の発言「景気抑制的な金融政策をしばらく維持する必要がある」としたことで、早期利下げ期待は後退し、1ドル=135円台後半まで戻しました。週末は137.64円で引けました。
<今週の動き>
2023年も利上げ継続の可能性が残されたことで、目先的には政策金利の先高感を背景にリスク回避的なドル売り・円買いは縮小する見通しです。9月20~21日のFOMCでは0.75%の追加利上げ決定の可能性が高まりドルは底堅い動きとなりそうです。
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