クランテックの相場分析 2023.1.23
2023年1月23日
【先週の市場動向】
先週は18日の日銀政策金利発表が市場の一番の注目材料だったと言えるだろう。
結果は「現状維持」でクロス円は大きく反発。市場は今回の発表で再び政策の修正があるのではないかとの期待から円が強含む動きとなりクロス円は大きく下げていた。この市場の期待を日銀が一蹴した結果となった。しかし、その日のうちに上昇分を打ち消す行ってこいの展開で大きく上下に振れる荒れ相場となった。最終的に、週足で見れば週末に再びクロス円は上昇することになり、総じて陽線での引けとなっている。日経平均株価も同様に日銀の「現状維持」に反応し、週足でしっかりした陽線引けとなった。
続いて米国株(主要3指数)とドルの動きだが、こちらはトレンドが発生するような重要指標や発言もなく、方向感のない展開となった。
ダウは結構な下げを見せて週足で大き目な陰線となったが、S&P500は木曜日まで下げていたものの金曜日に反発し、週足で陰線になったが、それなりに戻して引けている。ナスダックに至っては小さいながらも下ヒゲの陽線で週足を形成している。(全てCFDでのデータになります)
ドルは対円、オージーで若干上昇したものの、ユーロやポンドの欧州通貨に対しては下げて引けた強弱マチマチな動きとなった。
【今週の市場予測】
今週は米国のPMIやGDP、12月個人消費支出の発表がある。これらの結果に市場はある程度反応するとは思うが、方向感の出るような動きにまではならないと予測している。
既に市場は米国の次回利上げを0.25%で織り込んでいる。これについてはFRBメンバーからも同様の発言が出ていることから、利上げの材料でこれ以上の反応は限定的だろう。それよりも最近では米国の景気後退懸念が市場の重荷となってきている向きがある。実際に先週のダウの動きがそれを表しているともいえるだろう。利上げペースはこれ以上鈍化することは現状考えにくい、景気後退懸念はまだ残っている。そうなればドルには上昇圧力、米国株には下降圧力がどちらかと言えばかかりやすいのではないだろうか。
では、クロス円と日経平均株価についてはどうだろう。先週、日銀の政策金利発表で「現状維持」が発表され日経平均株価は反発、円は若干円安に動いた。とはいえ、岸田首相の発言として「2月に次期日銀総裁の人事案を国会に提示する意向」「共同声明を見直すかどうかも含めて新しい日銀総裁と話をしなければならない」といった声明を見直す可能性にも言及しており、政策が修正される可能性が大いにあると見ていいだろう。そうなると今の日経平均株価の反発、クロス円の上昇は絶好の売り場に見える。
ここからは少し視点を変えて、筆者が集計している為替の市場参加者のポジション推移から相場分析をしてみる。
狙われやすいと言われる個人投資家のポジションだが、主要通貨で見てみるとクロス円、ドルストレートともに先週末辺りからロングポジションが減少している。要はショートポジションが増えてきたと言える。もしこの流れが継続するようであれば週前半はクロス円、ドルストレートは上昇する可能性がある。これはあくまで短期的な視点で見た場合である。
前述したように、ファンダメンタル的にはリスクオフの流れになりやすい状況だと考えており、実際に相場が下がれば個人投資家は値ごろ感からロングを仕掛けてくる。そうなれば再び株式相場、為替相場共に下げる可能性が高くなるだろう。
※この記事は投資判断を促すものではございません。実際の最終的な投資判断はご自身で行ってください。この記事により生じる損害について一切の責任を負いません。
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