クランテックの相場分析 2023.2.6
2023年2月6日
【先週の市場動向】
先週はFOMC、BOE、ECBの政策金利が発表され、結果は各国ともに市場の予想通り。市場の関心は政策金利発表後の記者会見となった。まずFRBパウエル議長からはある程度タカ派的な発言は出たものの市場は既に織り込み済み。それよりは「ディスインフレ」に言及したこともありどちらかと言えばハト派にシフトしてきたと市場は捉え、ドルが下げる展開となった。次にBOEのベイリー総裁は「インフレが転機を迎えた兆しが表れている」などと発言。もともと市場はBOEの次回以降の利上げには懐疑的でポンドが下げていたこともあり、それほど大きな動きにはならなかった。ポンドは下げの流れが継続した。続いてECBのラガルド総裁だが、次回の3月も0.5%利上げを示唆したものの、それ以降は「データ次第」といった趣旨の発言した。これによってユーロも大きく下げた。
そして米国では金曜日に雇用統計が発表された。こちらは市場の予想を大幅に上回りサプライズな結果となった。更にその後に発表された1月のISM非製造業景況指数も予想を大きく上回ったことを受けて利下げ観測が後退しドルが大きく上昇した。
株式市場は日経平均株価がじり高で上昇したが特段材料もなく、ダウは、FOMC直後に大きく上下に振れたものの方向感なく、どちらかと言えば上値の重い動きになった。一方S&P500とナスダック100はそれぞれFOMC後に上昇。週末の指標で若干下げたが、週足では陽線で引けた。(全てCFDでのデータになります。)
【今週の市場予測】
今週はパウエル議長の発言があるものの、よほどサプライズ的な発言をしない限り市場が大きく動くようなことはないだろう。他に目立った重要指標はない。先週末に米国の指標が予想を上回り強い米国経済が確認されたことから利下げ観測が後退し、ドルが強く、株式市場は弱い展開になりやすいのではないかと予想する。よって為替はドルをメインに対ユーロ、ポンドでショート目線。株式市場は比較的金利に影響を受けやすいナスダック100をメインにショート目線とする。
また、今週は日本からも市場を動かすニュースが出ている。次期日銀総裁人事である。昨日、次期日銀総裁をハト派の雨宮氏に打診との報道があり、緩和継続と観測から、月曜日の朝から円が弱く、日経平均株価は上昇している。とはいえ現時点で日本政府はこの報道を否定している。仮に雨宮氏が次期日銀総裁に就任したとして、本当に今の緩和政策を維持するだろうか。おそらく何かしらの政策見直しは行うだろう。そうなれば一時的に日経平均株価は大きく下げ、クロス円も下げるだろう。短期的には上昇するかもしれないが、少なくとも日経平均をロングしたりクロス円のロング(ドル円以外)することは控えたいと考える。
※この記事は投資判断を促すものではございません。実際の最終的な投資判断はご自身で行ってください。この記事により生じる損害について一切の責任を負いません。
よろしいですか?