【過去記事無料公開】雇用統計大幅に上振れ
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当該記事は過去記事の転載になります。
週末発表された雇用統計は大幅に上振れ。
衝撃の数字となった。
以前から書いているが数万人程度は正直誤差だが10万人単位でズレるとサプライズになる。
予想比30万人弱のズレはサプライズと言わずに何というのだろうといった結果となった。
細かく見て行くと当然それだけ雇用が進んでいるので失業率は低下。
平均時給はコンセンサス。(実際にはやや鈍化の模様)
正規雇用は1万人減。
非正規は急増し、雇用統計のヘッドライン上昇に寄与。
度々触れてきたが正規が減って非正規が増えるというのは雇用情勢にとって健全ではない。
人の選別が進む間はパートタイマーが増え雇用は引き締まったままにしばしばなりがち。
— ELE (@eleconomics) 2023年2月3日
急に仕事が減るわけではないので正規雇用を減らしいつでも切れる非正規を増やし現場に対応する。
実際に景気鈍化が進めば非正規を切りちゃんと失業していく。
そんな感じの場面。
昨日連投したツイートの一幕だが正にこんなイメージを持つと飲み込みやすいだろう。
数字の大幅な上振れは11月、12月の鈍化の反動だろうと見込む。
兼ねてから筆者は11月、12月の経済活動が止まっており、割り引いて考えるべきだと警鐘を鳴らしてきた。
1月のデータが上ブレているというのはそのシナリオに答えを返すものだったと言えるだろう。
ISM非製造業景気指数も49.6から55.2へとヘッドライン大幅な上振れ。
こちらも同様に年末に沈んだ経済の再開が1月に進んだことを意味している。
地政学的に言えばアメリカは大寒波に見舞われた年末だったので特に不思議はないだろう。
ここから推測されることは2月に出てくる1月指標が前月を上回る可能性が高いということ。
マーケットに蔓延した「インフレは終わった。年末には利下げだ!」という細かく精査せずに指標の数字という1次情報だけを見て進んできた彼らに鉄槌を与える局面が待ち受けるだろう。
一方でFedのスタンスに影響を与えるものかと問われればそれは否であると明確にしておきたい。
Fedは数字には驚いただろうが、雇用統計の内容精査から上記ツイートのイメージは持っているはずで、であるならば正常に金融政策が進んでいることを意味している。
崩れ始めれば一気に加速するので今は弄る必要がないだろう。
雇用統計の消化自体は比較的極短期に進み、弛緩したムードがまた戻ってくるだろうと見込む。
ただし、前述したように2月発表の指標が上ブレる可能性を内包しているため、指標が出る度に思い知らされるだろう。
1月に書いてきたシナリオは実現しそうな雰囲気が出てきたということ。
ここにきてようやく何故パウエルがデータディペンデントを繰り返し、マーケットと我々の軌道に乖離があることをしてきたかが理解できるだろう。
(先行して書いてきたので読者には既知の話ではある)
今週のスケジュールを見てみると火曜日にパウエル議長講演が予定されている。
ただだからといって講演内容に過度に恐怖する必要はない。
平均時給が鈍化しているので目くじらを立てる問題ではないからで、過度にリスク資産を落としてくるならば買い場ともなり得る。
バランスが大事で、Fedはブレていないという事も大事なのだ。
一方でマーケットは会見に向けてベアに進む可能性は高いだろう。
またも1次情報で踊ることになると想定される。
株価は高止まりしつつも下げてはカバーを繰り返し徐々にソーサートップを描くような軌道を想定している。
NASDAQ13000ドルは背中になるだろう。
3指数の挙動が整いそうにはないのでベアトレンドのスタートはNASDAQにかかっている。
メガテックを筆頭にハイグロ祭りが1月をドライブしてきたので崩れるのもハイグロから。
しっかりした転換の本命は依然CPIにおいている。
2月14日になるがその前に天井自体はつけるだろうと考えている、もしかしたらもうつけたかもしれない。
ただここはウェイ度次第なので何とも言えない。
CPIの計算結果という問題もあるがCPIで崩れずともオプションカットが訪れるSQもあるのでいずれにしても月半ば付近からが転換期か。
雇用統計結果からクロス円が大幅高になった。
ドル買いが進むと共に円ショートが拡大していることがわかると思う。
これは円買いのストップロスの結果で円買いに関してはショートカバーとなったと言えるだろう。
ドル買いトレンドは継続を想定しつつも円買いのショートカバーは週明け東京市場の午前がクライマックスと考えている。
イメージはポンドドル。
東京不在の中の動きだったことから東京市場でストップロスを巻き込んだポンドドルの下落があった場面だが同様にストップロスを巻き込んだクロス円の上昇を想定したい。
あまり長く続くものではなく実需も入ってくるのでここがピークとなる見込み。
東京午前終了でクロス円ロングは全て畳むかポジションを落とし、また下に降りてくるのを待つタイミングだろう。
ロンドン市場は再度円買いが入るのではないかと考えている。
欧州通貨も買い戻しが進みそうな位置取りをしているが、NYで再びドル買い優勢になるようなイメージ。
ドル買いトレンドは押し目をつけたあと今しばらく継続する視点だ。
少なくともCPI以後までは狙いたい。
他方で円買いというものは別軸の話なので落ち着けば円買いドル買いが再び進行することを想定。
そのため頭と尻尾はくれてやり、東京午前がピークと見定めておきたいというのが今のところの所感。
そもそも円買いポジションに優位性はないので利食うか待機かしかない局面であり損のしようがない。
為替はボラ低下のレンジ推移がベース。
仮にクロス円のストップロスを巻き込むのであれば大きく円売りに傾く公算でその場合日経平均もクライマックスを迎えよう。
28000円をターゲットに上昇を想定。
当該シナリオは東京午前のポジション狩りがシナリオの中心にある。
仮に動かないならば単に利食い時というだけの話なので東京午前で利食いという時間軸は動かない。
可能性が高いなら持ってみよう程度の問題。
ただそうした動きが見えるなら東京午前は短期でもついていっていいだろう。
中身がショートのストップロスであれば押し目なしで進んでいくはずで見分けも簡単だろう。
ドル買いへの転換は前回記事の3中銀スタンスが定まったことによるもの。
メインストリームがそれなので雇用統計は背中を押されただけに過ぎない。
ドル売りしていく理由がそもそも薄れているのでドル買い狙いは継続。
商品安、ドル買いに関しては転換点を過ぎたと言えるのではないだろうか。
為替もトレンドを切り返し、株式市場以外は先行して反転しているイメージ。
往々にしてあるが最後まで気づかないのが株である。
※当記事は売買タイミングを指示、または推奨するものではありません。
ご自身での投資判断をよろしくお願いします。
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