クランテックの相場分析 2023.2.20
2023年2月20日
【先週の市場動向】
先週は米国のCPI、小売売上高、PPIが軒並み予想を上回る強い結果が発表され、更に週後半にFRB当局者から利上げについてタカ派発言が相次いだ。これによりドルが上昇する強い動きになった反面、米国株主要3指数(以下、米株)は14日のCPI以降上値の重い展開となり、週足で長い上髭のピンバーを形成した。
円と日経平均株価は植田次期日銀総裁の政策方針が焦点となり現在の緩和を容認する趣旨の発言もでたことで市場には一旦の安心感が出た。ドル円が上昇したことも後押しする形でクロス円全般は大きく上昇した。一方日経平均株価は緩和継続期待の高まりと、それによる円安の流れの後押しがあったにもかかわらず非常に上値の重い展開となり週足では小さいながらも陰線で引けている。
【今週の市場予測】
今週も米国のPMIや中古住宅販売件数、GDP、PCEなどそれなりに市場が反応する可能性の高い指標がある。これらの結果が予想を下回らない限りドルは堅調推移となるだろう。それ以外にドルを押し下げる材料はない。またFOMC議事要旨の発表もあるが、こちらも先週のFRB当局者発言を見る限りドルが下がるような内容は出ないだろう。やはりドルストレートは戻り売り(ドルの押し目買い)をユーロドル、ポンドドル、オージードルで狙うのがよさそうだ。週足で見ると特にポンドドル、オージードルは弱そうに見える。そして米株については引き続きショート戦略とする。
更に今週は日本でも24日に植田次期日銀総裁の所信聴取が行われる。こちらも市場の注目材料だ。緩和政策については概ね現状の政策に同意しているが、YCC(イールドカーブコントロール)について言及するかが今回の注目点だろう。これについて所信聴取で少しでも否定的な発言が出ればクロス円は一気に下げ(円高)方向に動き、日経平均株価は今までの横ばい推移から一気に下げるだろう。但し植田氏は市場との対話を重視する旨の発言もしていることから、今回の所信聴取では市場が大きく動くような発言は特に出ない可能性は十分にあり得る。そうなればまだ暫くはクロス円(ドル円以外)、日経平均株価ともにレンジでの値動きになるだろう。
※この記事は投資判断を促すものではございません。実際の最終的な投資判断はご自身で行ってください。この記事により生じる損害について一切の責任を負いません。
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