雇用統計振り返りと次週FOMCに向けて
こんにちは、下山です。
さて、来週、
12月13日・14日の両日で
今年最後のFOMCが
開催される予定です。
FOMCでは
引き続き政策金利が
どの程度引き上げられるかという点が
市場に大きな影響を与えますが、
その動向を占ううえでも
重要視される
労働市場のデータが
先週の金曜日に
公表されました。
労働市場のデータには、
雇用者数
失業率
平均時給
労働参加率など
様々な指標がありますが、
ひとまとめに
「雇用統計」
と呼ばれることが
一般的です。
雇用統計が発表される際には、
外国為替取引市場や
国債市場などで
大きな変動が生じますが、
株式市場も例外ではありません。
そこで今回は、
先週の雇用統計の
振り返りと
来週のFOMCに向けた
株式市場の動向について
解説したいと思います。
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雇用統計の振り返り
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雇用統計は
その後数週間の
株式市場の動向を占う上で
市場関係者にも
重要視されている指標で
FRBのパウエル議長も
常々重要視していると述べています。
では、次に
雇用統計の結果を
振り返ってみましょう。
まず、最も注目される
非農業部門雇用者数に関しては
+26.3万人と
市場予想の+20万人を
大きく上振れしました。
また、平均賃金の伸びは
前月比+0.6%と
市場予想の+0.3%より
0.3%の伸びで、
前年同月比では
5.1%上昇しています。
失業率は
3.7%で
市場予想の3.7%と同水準、
前月比でも横ばいの
結果となりました。
今回の雇用統計の結果は
金融引き締め観測を強める内容となり、
FRBによる今後の利上げペース減速が
十分に正当化されるほど
経済が弱くなっているという
市場の見方を打ち消す格好となっています。
これを受けて、
先週金曜日2日の
ニューヨーク株式相場は、
総じて下落する流れとなりましたが、
結果的に大きく乱高下をし
上昇幅を縮小した
米長期金利が下支え要因となり、
反発し、
ダウ工業株30種平均は
前日終値比34.87ドル高の
3万4429.88ドルで終了。
ハイテク株中心の
ナスダック総合指数は
20.95ポイント安の
1万1461.50で引ける形となっています。
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雇用統計の結果の捉え方
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さて、肝心な雇用統計の
数字の捉え方ですが
雇用統計も
景気の良し悪しを
判断するために使われ
雇用が増えて、
失業率の低い状態が
景気のいい状態と判断されます。
また、政策金利は
景気をコントロールするためのもので
景気が過熱気味の時は、
政策金利を上げ
景気が悪い際には
金利を下げることで
経済を刺激します。
つまり、政策金利が高くなる際には
株式市場よりも
債券市場などに資金が流入し
政策金利が低くなる際は
株式市場に資金流入すると
考えるのが
トレードのセオリーです。
つまり、今回のように
雇用統計の数字が
強い場合は
景気は過熱気味と判断され
インフレが進みやすい
経済環境であるとされ
政策金利は
強い数字が必要となります。
政策金利が高いと
市中銀行からの
貸出金利も高くなり
株式市場へも
資金が流入しづらくなる結果
株価は上がりづらい
地合いとなります。
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来週のFOMCに向けて
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今回の雇用統計の結果を
一言にまとめると
総じて強い数字が出た
と言えるでしょう。
足元の金融市場では
米国経済の減速懸念が
強まっていましたが
FRBの金融引き締めの
修正期待を幾分後退させるものと
なりました。
しかし、12月のFOMCで
FRBが利上げ幅を
従来の0.75%から
0.5%に縮小させるとの見方は
今回の雇用統計を受けても
揺らいでいない形といえますが
来年以降の金融政策については、
引き続き不確実性が
強い状況だと言えるでしょう
そのため、仮に12月FOMCでの
政策金利の引き上げが
75ベーシスポイントの利上げとなれば、
株式市場は冷や水をかけられた形となり
株価は下落傾向となりますが、
予想通りに50ベーシスポイントとなれば
大きな混乱はないと考えられます。
また、今後は、50ベーシスポイントの利上げが
いつまで必要かという点が論点となり
来年1月31日、2月1日両日の
次回会合でも同じ幅で引き上げられるかどうか
という点に焦点が移ると予測されます。
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まとめ
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来週のFOMCでは
政策金利の数値に
注意が必要ですが
政策金利発表後の
パウエル議長による
会見内容が特に重要と
なるでしょう。
また、12月の注意事項として
市場のビッグプレイヤーである
欧米の機関投資家が
ホリデーシーズンに入っているため
流動性の低さにも
留意をしたい所です。
流動性が低いと
少ない資金量で
大きな変化が起こったり
テクニカルの
インジケーターが使いづらくなるため
その辺りも念頭において
トレードする必要があります。
引き続きこのメルマガでは
最新の時事情報と
株式市場の動向について
お伝えしていきたいと思いますが、
あくまで情報は
「そういう傾向がある」
という程度にとどめていただき、
想定外の事態が起きても対処できるように
トレードすることを忘れないでください。
それでは、本日も最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
下山敬三
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