押し目買い・戻り売りの極意(有料販売商品の内容を一部抜粋)
今回はトレンドフォローの定石「押し目買い」「戻り売り」について徹底的にお話ししていきたいと思います。
今までにもいくつか「トレード手法」について書いてきたわけですが、どれも「逆張り」をテーマとしたもので、言ってみれば「飛び道具」「邪道」とも言えるような手法でした。
理由としては
・他人がやっても再現できるルールを構築しやすい
・逆張りはすぐに伸びるので含み損を抱えることが少ない
・逆張りは損切りがタイトなので損切りの習慣づけをしやすい
・順張りのトレンドフォローはマルチタイムフレーム分析が必須になる
・説明が面倒くさい
ということがあったためです。
しかし、逆張りだけでは相場が大きく伸びる時のビッグウェーブに乗れずただ指をくわえて見ているしかありません。
別に逆張りだけでもトータルでプラスにすることは可能ですが、チャンスをみすみす逃すっていうのも悔しいですよね。
そのチャンスを逃した焦りで変なところでエントリーしてしまうという精神的な悪影響もあるわけです。
そこで、何とか順張りのトレンドフォローでも再現しやすいルールを構築出来ないかと模索していたところ・・・
「押し目買い」「戻り売り」
にピンポイントに絞って話せば、割と再現可能な話に出来るのではないかと重い腰を上げるに至りました。
それでも書いているうちに「あれも伝えなきゃ」「これも話しておかなくちゃ」とやってるいたら結局かなりの長文になってしまいました(なんと30000文字超え)。
今までの逆張り手法が大体1万文字くらいだということを考えると相当ボリュームがありますね。
ただ、どうせなら徹底的に細かいところまで説明しようと決め、結果として
「押し目買い・戻り売りの極意」
と言っても差し支えない内容になりました。
正直FXってこの押し目買い・戻り売りだけをやってても十分「プロ」としてやっていけるレベルなんですよね。まあどの「手法」であっても同じなんですが・・・
「押し目買い」「戻り売り」は、基本戦略でありながらいつまでも色褪せない究極の奥義とも言える手法です。
まさに原点にして頂点とはこのこと。
逆張りだけではチャンスも限られますから、ぜひ手持ちの武器を一つ増やしていってください。
押し目買い・戻り売りは究極の後出しジャンケン
私は、FXの良さというのは
「事実が明らかになってから後乗りすれば良い」
というちょっとずるい方法でも十分勝てるというところにあると思います。
過去のチャートを見て
「ここで入れば勝てたのに・・・」
なんて結果論で簡単に言えますが、実際のチャートでそれをやろうとするとなかなかうまくいきませんよね?
なぜうまくいかないのかと言うと、それは「まだ結果が出ていないのに無理やりやろうとするから」に他なりません。
チャートというのは絶えずローソク足が上下動していますから、見ようと思えばどれもこれもチャンスに見えてしまい「お手つき」を繰り返してしまいます。
結果論で勝てるならば結果が出てから後乗りすればいいんです。
いつトレンドが出るかというのは正直言って誰にもわかりませんし、トレンドの初動を捉えようとするのはトレードにおいては「落ちてくるナイフを掴むようなもの」と例えられるほど無謀な話と言えます。
だからこそ「強いトレンドが発生した」という「結果」を確認してから、その後追いをする「押し目買い・戻り売り」は究極の後出しジャンケンと言えるものなのです。
ビジネスにおいてよく言われる「イノベーター理論」ってありますけど、別にFXにおいてイノベーターである必要は全くありません。
せいぜい「アーリーマジョリティ」で十分です。
先駆者、革新者である必要もなければクリエイティブさや特別な手法なんかも別に要りません。
「使い古された王道」
「後出しジャンケン」
「結果論」
で十分。
それを具体的に体現しているのが正に押し目買い・戻り売りと言えるでしょう。
押し目買い・戻り売りは順張りと逆張りの良いとこ取り
押し目買い・戻り売りの最大の優位性というのは、
・長期トレンドの順張りであること
・短期トレンドの逆張りであること
の両面性にあります。
長期トレンドに沿ったエントリーであれば多少エントリータイミングを間違えてしまったとしても時間が経つことで長期足の流れに乗れることが多いですし、短期的な逆張りは損切り幅を限定的にしてくれます。
つまり、
長期トレンドの順張り→勝率を高めてくれる
短期トレンドの逆張り→損切り幅の小さいリスクリワードの良いトレードが出来る
という双方の良いとこどり戦略になるわけです。
しかもこれを「結果が出てから後出しジャンケン」でやれば良いわけですから非常に優位性が高いのです。
だからこそ私自身もエントリーの半分以上は押し目買い・戻り売りに基づくものだったりします。それだけ優位性が高く勝ちやすいからです。
ただ、FXを始めたばかりの初心者の方だと「逆張りであること」にどうしても違和感を覚えるんですよね。
私も最初はそうでした。
というか、「長期トレンドの方が強い」っていうのが実感がないというかピンと来ないというか・・・そういう人って結構多いんじゃないかと思いますね。
これについてはトレード経験を重ねるほど「チャートが長期トレンドに回帰すること」というのを実践を通じて腑に落としていくものです。少なくとも私はそうでしたね。
この感覚自体が釈然としないという場合にはそもそも押し目買い・戻り売りという戦略自体の信憑性が疑わしいということになってしまいますから、ピンと来ない人は徹底的に過去チャートを見返してみてください。
ForexTesterのような過去検証ソフトを使っても良いです。
まあとくにこだわりがなければ「そういうものなんだ」とひとまず置いておいて、あとは実践を通じて長期トレンドの重要さというのをひたすら肌で感じてみてください。
環境認識ほぼ不要な前日足の押し目買い・戻り売り
トレードについて勉強しようと思うと、必ずどこかで目にするであろう言葉が「環境認識」というものです。
環境認識・・・苦手な人多いですよね。
熟練トレーダーになれば「売り」「買い」双方の視点からトレードプランを立てて柔軟に立ち回ることも可能ですが、それは正しい環境認識があってこそのものです。
この環境認識ってやつはひたすら反復練習しかないので、教えようと思っても感覚的な部分も多くてなかなか言語化が難しいものです。
しかし、ある条件の「押し目買い」「戻り売り」に焦点を絞れば細かい環境認識をせずとも大体の相場で有効です。
それは、前日の日足が大きな陽線or陰線になっている時です。
要するに
「ものすごくトレンドが伸びた次の日のトレード」
ということですね。
こちらは上昇トレンドが発生した時のドル円15分足チャートで、赤枠で囲っている部分がその日の「日足」になります。
まあ、誰が見ても分かりやすい上昇トレンドですよね。
こういった日足レベルの強いトレンドが発生した次の日というのは、ほぼすべてのトレーダーがこの日足を基準にトレードしようと考えます。
もっと具体的に言えば、売りと買い双方の視点でトレードプランを立てる熟練者であっても買いのプランの一つにはまず「押し目買い」が入るのです。
私であれば上記の相場を見て
・このままレンジを作って高値抜け
・ダブルトップのような反転パターンを作ってダマシになり上昇
など買いのプランを事前にいくつか考えますが、そのうちの一つに
・押し目候補まで下がってきて押し目買い
というものも必ず候補に入ります。
なので、とりあえず強い上昇トレンドがあった次の日は「売り」は考えず、「下がってきたら押し目買い」のみにひたすら焦点を絞れば単純で分かりやすくなると思います。
逆に言うと、それ以外の値動きをするなら完全スルーということです。
トレード初心者の方であればいくつもパターンを考えられないと思いますから、まずは一つのことのみに「決め打ち」して徹底的にやってみましょう。
同じように、強い下降トレンドの次の日なら「買い」はなしですね。
日をまたいでも反転パターンを形成しても押し目買い・戻り売りは有効
また、強いトレンドが出た次の日がレンジになり、そのレンジが数日間に渡って続いたような場合でも日をまたいだ押し目買い・戻り売りが有効です。
こんな風に強い下降トレンドが出て1日、2日経ってもレンジのままで3日目にようやく本格的な戻り売りが入るということもあります。
あるいは、トレンドが1日をまたいで次の日も継続するという場合も基本的な考え方は同じです。
こういう場合には2日分の上昇トレンドに対する押し目買いを狙うという風に意識しましょう。
あるいは、ダブルボトムやダブルトップのような反転パターンを作ったとしても押し目買い・戻り売りは有効です。
基本的に日足レベルで確認できる強いトレンドが発生した場合、そのトレンド発生の起点になっている高値や安値を反対に抜き返すまではそのトレンドの支配下にあるという風に考えましょう。
こちらはドル円1時間足チャートでオレンジの枠内が強い下降トレンドになっている日足ですが、その後ダブルボトムを作って上昇してはいるものの下降の起点となった高値を更新できていないので未だ下降トレンドの支配下にあるとみなします。
これはいわゆる「ダウ理論」の考え方そのものですね。
そして、この考え方を前提にして具体的な手法と昇華したものが押し目買い・戻り売りそのものなのです。
なので、強いトレンドの起点と終点の高安の間にある限りはその中でどのような値動きをしたとしても基本的に押し目買い・戻り売りは有効なのです。
もし長期ラインに当たっていたらこのまま下がる?
仮に、この上昇トレンドが何らかの長期レジスタンスラインに当たって止められていたとします。
もし環境認識をしていなくてこの長期足レジスタンスに気づかず、押し目買いをしようとしたら一気に下降トレンドに反転・・・ということになるでしょうか?
実際にはこうなるケースは相当稀で、一度レジスタンスラインに当たったからといってすぐに下がってくるということはそうそうありません。
というかそもそも、押し目買いというのは「下げ止まり」を確認してからエントリーするのでこんな相場になったら何もせず見ていることになるんですが・・・(詳しくは後述します)
話を戻しますと、一直線に下降に転じるよりはどこかで前日陽線の押し目買いが入りもう一度天井を試しにいく値動きをすることが多いです。
これはトレーダーの心理としては必然で、一度レジスタンスに当たって下がってきたからといって買い手はそうそう諦めずに「もう一度試してダメだったら逃げよう」と考えるのです。
レジスタンスラインがあったとしてもこの相場はまだ完全に上昇トレンドの途中ですからね。
この後、この上昇が長期レジスタンスをブレイクするか、あるいはブレイク失敗して反転していくかは神のみぞ知るところです。
どちらになるかは分かりませんが、少なくとも前日陽線の押し目買いというプランであれば押し目が入ったところから前日高値付近までの値幅は取れるはずです。
仮に前日高値付近まで上がらずに下がってきてしまったとしても、押し目候補まで引き付けて買ったことで建値(プラマイ0)で逃げる余地はあります。
以上のことから、「前日陽線の押し目買い」「前日陰線の戻り売り」に絞れば細かい環境認識を出来ていなくとも十分戦えるということです。
長期足が節目をブレイクした後は成功しやすい
先ほどの話の少し続きになるのですが、もし長期レジスタンスラインを長期足の終値できっちり節目をブレイクしていたなら押し目買い・戻り売りはさらに成功しやすくなります。
前日に大きくトレンドが伸びた時というのは、前日の「日足終値」が日単位・週単位の長期の節目をきっちりブレイクしていることが多いため、次の日の押し目買い・戻り売りは成功しい安くなります。
というか、もはや次の日は「押し目」「戻り目」を探すのが基本戦略になるでしょう。
イメージとしてはこのような感じです。
上昇トレンドを阻むような長期足レジスタンスラインを「日足終値」できっちり突破していれば、その次の日は安心して押し目を拾うことを考えられます。
こちらの図はイメージとして作ったもので実際にはこんな風に分かりやすい教科書通りのレジサポ転換を起こすことはあまりないですが、一度日足の終値で突破されていたらその後の押し目買いは成功しやすくなります。
こんな風に長期足レジスタンスの下に戻ってきたとしても、一度日足終値で突破していればその後「レジスタンスで弾かれるかも・・・」という心配をせずとも押し目買いは成功しやすいということですね。
同時に、ブレイク飛び乗りよりも押し目・戻り目を形成するのを待った方が含み損を抱えなくて済むという話でもあります。
あるいは、日足で節目を突破したかどうかがまだ確定していない場合であっても次点で4時間足が突破している場合にはその押し目・戻り目を拾うトレンドフォローは比較的成功しやすいと言えます。
こういうケースというのは、例えば
・東京時間で節目を4時間足実体抜け→欧州時間で押し目を拾う
・欧州時間で節目を4時間足実体抜け→ニューヨーク時間で押し目を拾う
といった具合に市場が入れ替わる時間に合わせて使う感じですね。
少なくともその日1日のうちに伸びたトレンドの押し目・戻り目を拾う際に日足・週単位の節目が近くにあるなら4時間足の実体で抜けるかどうかを確認してからが良いと思います。
この「○○足が終値でブレイクしたか」を基準に押し目・戻り目を拾うという考えは1時間足などにスケールダウンさせて応用することも出来るのでぜひ意識しておきましょう。
まあ、どんなに最低でも「1時間足」が抜けるのはマストと言えますね。
押し目買い・戻り売りの大まかな手順
次に、押し目買い・戻り売りの大まかな手順としては
押し目・戻り目を形成しそうな大まかな目安を決める(シナリオ)
1の目安での上げ止まり・下げ止まりを確認する(セットアップ)
プライスアクションを見てエントリー(トリガー)
という具合になります。
①シナリオ ②セットアップ ③トリガー
の三点セットは押し目買い・戻り売りに限らずどのトレードプランにおいても必須ですのでよく覚えておきましょう。
とはいえ押し目買い・戻り売りのシナリオは
「ここまで下がったら押し目買い」
「ここまで上がったら戻り売り」
という単純明快なものです。
目安を決め、そこで止まるのを見て、プラスアクションでエントリー。
一部に例外的なものもありますが「押し目買い・戻り売り」の基本はこの手順ということを覚えておきましょう。
まず、「この辺りで押し目・戻り目を作りそうだ」というおおよその目安を決めておく必要があります。
よろしいですか?