MACDは〇〇を先読みするもの
MACDの本質を問う問題
「MACDは2本の移動平均線の間隔を見る指標ですが、その計算式にはEMAが使われています。なぜSMAよりEMAの方がいいか説明しなさい」
MACDの定義は
MACD=短期EMA−長期EMA
だから、EMAを理解しないことにはMACDも理解できません。
また、通常のチャート機能でMACDを表示した時、デフォルトで
・MACD線
・シグナル
・ヒストグラム
の3つが表示されますが、これが話をややこしくさせています。
この記事ではMACD線のみに絞って解説します。
MACD線の意味を理解できれば、シグナルやヒストグラムの意味も自然と理解できます。
解答
「EMAの方がSMAよりも価格に対する反応が早く滑らかに動き、ゴールデンクロスの先読みをしやすいから」
解説
元々、MACDが開発された時はMACD線の一つしかありませんでした。
現在はMACD線、シグナル、ヒストグラムの3つ全体をMACDと呼び、テクニカル指標として扱われています。
ちなみにシグナルは移動平均線のことで、ヒストグラムは縦棒グラフという意味です。
今回の問題の解説は、なぜMACD線が開発されたのかについて説明します。
2本の移動平均線とMACD線を表示
売買シグナルでもっとも有名なゴールデンクロスというものがあります。
2本の移動平均線がクロスするところが買いサイン売りサインとなるわけですが、チャートを眺めていると、こんなことを思うのではないでしょうか。
「もっと早く仕掛けられないかな?」と。
ゴールデンクロスの場合、ある程度、価格が上昇することで2本の線が交わるので高い値段で買いエントリーすることになります。
であれば、2本の線がクロスしそうなら、クロスする前にエントリーすることで有利な価格で取引できそうだなと思うわけです。
2本の線がクロスするということは、2本の線の間隔が0になるということ。だから、間隔がこれから縮まりそうだなということが分かれば、ゴールデンクロスするよりも前に買えることになります。
MACDの定義は
MACD=短期EMAー長期EMA
上の画像のチャートではよく使われるMACDの設定
短期12日、長期26日として、
赤い線が12日EMA
青い線が26日EMAです。
白丸部分で、ゴールデーンクロスする前にMACDが0ラインに向かって上昇しているのが分かるでしょうか。
つまり、2本の線が交わる=MACDが0になる
ということ。
MACDがマイナスから0ラインを上抜けし、プラスに転じるのは、価格が上昇し、2本の線が交わり、やがて2本の線の間隔が広がるということ。
2本の線の間隔を見れば、この先ゴールデンクロスしそうだな、デッドクロスしそうだなということが先読みできるのです。これがMACDの役割。
では、なぜEMAの方がいいのか。
2本の線が交わることを予測しようと思った時に、2本の線の間隔が広くなったり狭くなったりとデコボコしていては先読みしにくくなります。
間隔がだんだんと狭まる時、安定して狭くなれば、この先2本の線がクロスするだろうと予想しやすくなります。
線がガタガタしていては、2本の線がくっついたと思ったらすぐ離れたりと、騙しが増えてしまいます。
だから、SMAよりも滑らかに動くEMAの方がいいのです。
MACDの名前の由来は
Moving
Average
Convergence
Divergence
Moving Averageは移動平均のこと
Convergenceは収束
Divergenceは拡散
MACDを日本語訳すると、移動平均収束拡散法というイカつい名前です。
2本の移動平均線の離れ具合を見る指標なので、MACDを表示する場合、2本のEMAとセットで表示しましょう。
MACD線の意味が分かれば、何のためにシグナルやヒストグラムがあるのかも分かるはず。
MACD線が2本の移動平均線のクロスを先読みするものということは、ヒストグラムはMACD線とシグナルのクロスを先読みするためのもの?
ぜひ、ご自身で考えてみてください。
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