FXトレーダーのための「大人の経済」基礎講座|第1回 ファンダメンタルズのきほん[雨夜恒一郎]
今回よりファンダメンタルズ(分析)を体系的に学習できる、雨夜恒一郎さんの新連載がスタートします。ファンダメンタルズは、相場の大局的な方向性を読み取る上で欠かすことのできない分析方法だけに、テクニカル重視のFXトレーダーにとっても役立つこと必至。これまでファンダメンタルズを敬遠していた方や疎かにしていた方は、この連載を機に一から学んでおきましょう。
第1回目次
1. ファンダメンタルズ(分析)とは何か?
2. なぜFXトレードに必要なのか?
3. 対局の存在とされるテクニカル分析
4. 市場の関心がどこにあるかを知る方法
5.「コンセンサス」と「サプライズ」
6. 中長期的にはトレンドが重要
7. 第1回「ファンダメンタルズのきほん」まとめ
※この記事は、FX攻略.com2017年6月号の記事を転載・再編集したものです
雨夜恒一郎(あまや・こういちろう)プロフィール
20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。
twitter:https://twitter.com/geh02066
ファンダメンタルズ(分析)とは何か?
これまでもファンダメンタルズ分析の意義や重要性についてたびたび述べてきましたが、このたび機会を得て、ファンダメンタルズの初歩を体系的に学ぶという連載をさせていただくこととなりました。ファンダメンタルズの話はチンプンカンプンの方、ファンダメンタルズを勉強したいがどこから始めたら良いか分からない方は少なくないと思います。
そこで、第1回の本稿では概論ということで、ファンダメンタルズ(分析)とは何か、なぜ重要なのか、そしてどういう経路を通じて為替相場に影響を与えるのか、について分かりやすく述べていきたいと思います。
ファンダメンタルズとは「一国の経済状態を判断するための基礎的条件」とされていますが、狭義には「経済成長率(GDP)」「物価上昇率」「失業率」「貿易収支」などの経済データを指します。そしてこうしたデータを用いて、経済動向や相場を分析することを、「ファンダメンタルズ分析」と言います。
一国の経済状態=ファンダメンタルズと考えて、「A国はファンダメンタルズが良い」「B国はファンダメンタルズが弱い」などと表現することもあります。
ファンダメンタルズ分析の基本は、経済データを理解することにあります。というと、「大学で経済学を専攻してないから分からないよ」という声が聞こえてきそうですが、何も経済学の教科書に載っているような小難しい理屈は必要ありません。やや乱暴に言えば、経済活動が活発かどうか分かれば良いのであって、身構える必要は全くありません。
よろしいですか?