RSIの正しい使い方
前回の記事で、RSIの問題点について解説しました。
今回は、RSIの正しい使い方について解説します。
Relative Strength Indexの略で、日本語では「相対力指数」と呼ばれます。
買いと売りのどちらの勢力が強いかを表す指標です。
買いの勢いを数値で表そうと思った時に、単純に上昇した日数を数えたのがサイコロジカルライン。
10日間の内、前日比で9日上昇した日があれば90%となります。
しかし、例えば、9日間10円づつ上昇し、10日目に90円下げるケースでは買いの勢いを上手く表せていません。
そこで、何日上がった・下がったではなく、期間内に合計してどれだけ上がったか・下がったかで買いと売りの勢力を表した方がより正確なのではということになります。
RSIについて具体例で見てみましょう。
RSIの標準的なパラメーターは14日なので、14日間の値動きで考えます。
RSI=上昇幅÷(上昇幅+下降幅)
=150÷(150+100)
=0.6
つまり60%となります。
以前の記事で、ストキャスティクスに関する問題を出題しました。
今回のRSIに関しても、よく言われる
「70%以上は買われすぎだから売りサイン」というのを正していきます。
テクニカル指標の定義・計算式の意味を理解し、正しく使えるようになりましょう。
RSIにこの3ステップを当てはめてみます。
①RSIの定義は上昇幅÷(上昇幅+下降幅)
基本数値は14日です。
②過去14日間の値動きの中で、上昇分が何%か?ということ
③つまり、
50%以上が買い方が有利な状況
50%以下が売り方が有利な状況
70%以上は買い方がかなり強い状況
30%以下は売り方がかなり強い状況
この30や70という数字はどこから来ているか。
価格幅が一定で2日上がって1日下がるというのが安定的な上昇相場。
だとすると、全体の値動きの3分の2が上昇分なのでRSI=66.6となります。
逆に2日下がって1日上がるというのを安定下降とすると、RSI=33.3となります。
RSIが70を超えるのは安定上昇よりも大きい数値ということで、買われすぎと言われるのです。
RSIが30を下回るのも同様。
しかし、買われすぎだからといって売りサインにはなりません。
むしろ上昇の勢いが強い上昇トレンドの状態。
70を超えて、70を下抜けした場合も、上昇トレンドの勢いが弱まったということですが、すぐさま下降トレンドになるわけではありません。
上昇の勢いが弱まった≠売りサイン
RSIを正しく使うためには、そのトレンドが始まりの方かそれとも終わりに近づいているかを把握する必要があります。
ストキャスティクスとRSIの違いについて見てみましょう。
同じオシレーター系の指標ですが、同じ数値でも意味は異なります。
ストキャスティクスの定義は、上図のように
%K=(現在値ー最安値)÷(最高値ー最安値)
現在値が最高値ならば、%Kは100%となります。
RSIが100%の場合、14日間上昇し続けたことを意味します。
これらのことから分かるのは、ストキャスは簡単に100をつけるが、RSIはめったに100をつけないということ。
RSIは基本的に大きな数値や小さな数値をつけない。ストキャスはいくらでもつけます。
ただ、注意が必要なのは、基本的に大きな数値をつけないからといって数値が大きくなったから売りサインとはならないということ。
それだけ上昇の勢いが強いということなので、安易に逆張りとして使うのは良くないです。
【RSIまとめ】
RSIは一定期間の買い方売り方の力関係を見る指標。
・50%以上が買い方優勢
・50%以下が売り方優勢
70%以上で買われすぎだから売りサインというわけではなく、むしろ上昇の勢いが強い状態。
トレンドの初期か終盤で数値の意味は変わってくるということに注意が必要。
よろしいですか?