複利運用の落とし穴
複利運用に関する問題?
ある商品を買おうとしています。
店A:40%ポイント還元
店B:3割現金値引き
どちらがお得でしょうか?
一見、相場とは関係なさそうな問題。この記事では、複利運用と複利的運用の違いについて解説します。
かのアインシュタインも複利は「人類最大の発明」と言いました。
その威力を発揮するためには、あることに気をつけなければいけないのです。
解答
3割現金値引きの方がお得。
解説
まずは問題の解説をして、そこから複利の話に繋げていきます。
店Aでは、もらったポイントは制限がなく、そのまま使えるものとします。
店Bの現金値引きは言葉の通りとします。
話を分かりやすくするために、買う商品を商品1と商品2とします。
・店Aで10000円の商品1を買い、4000円分のポイントをもらって、4000円の商品2はポイントで買いました。
・店Bで商品1と商品2を買い14000円の3割引で9800円を払いました。
14000円分の2つの商品を買うのに、
・店Aでは10000円
・店Bでは9800円
を、払ったことになります。
なので、店Bの方がお得です。
今度は別の問題です。
投資をしていて
・ある年は40%の利益
・次の年は30%の損失
でした。利益は残るでしょうか?
40%の利益と30%の損失なら有利に思える手法ですが、単利ではなく、ある年に利益でも損失でも、複利で使うとします。すると、
例えば100万円でスタートして、
1年目40%の利益=100万×1.4=140万
2年目30%の損失=140万×0.7=98万
減ってしまいました。
順番を変えても結果は変わりません。
1年目30%の損失=100万×0.7=70万
2年目40%の利益=70万×1.4=98万
40%の利益と30%の損失は元金が同じ(単利)であれば利益が出るやり方でも、元金を変えて勝ったり負けたりすると、一見有利な取引でも資金が減るのです。
勝ったり負けたりする場合は、複利的運用と言います。
この問題を通して伝えたい最も重要なことは、
複利で資産を増やそうと思ったら勝つことが前提だということ。
「ある年、たまたま儲かった。じゃあ複利で運用しよう。次の年負けてしまった。」
この状態では、複利はむしろ逆効果なのです。
複利運用をするためには、この期間なら利益を出せるという状態にしないといけません。
期間は短いほど、複利の回数を増やせるので有利ですが、その分難しくなります。
投資における利益に対して税金がかかる期間が1年なので、年間では利益を出せるトレードルールを作れるようになりましょう。
安定して勝つことができて初めて複利運用ができるのです。
よろしいですか?