補正値で簡単!窓埋めEAの作り方
はじめに
GogoJungle / Skijan を運営しております、株式会社ゴゴジャンです。
今回は、EAつくーるの基本的な操作について理解した方向けに、EAつくーるの取引条件内で用いられる「補正値」について、その概要や活用方法などを紹介していきます。
EAつくーるに初めて触れる方は、ぜひ下記リンクから過去の記事をご覧ください。
・EAつくーるの基本操作と使い方
・取引条件について徹底解説
・オプションについて知ろう
・ゴールデンクロスを用いた簡単なEAを作ろう
・MACDを使ってみよう
・ナンピン・ピラミッディングを使ってみよう
・カスタムインジケーターを用いたEAを作ろう
・半裁量EA・決済EAを作成しよう
・一目均衡表を用いたEAを作ろう
・作成したEAの検証方法を学ぼう
目次
・補正値とは
・ローソク足
・移動平均線
・補正値の活用方法
・ローソク足の補正値
・移動平均線の補正値
・窓開け・窓埋めの利用
・おわりに
補正値とは
補正値とは、EAつくーるの条件で指定できる項目の1つです。
補正値に値を入れることによって、条件の左辺・右辺を比較する際に使用される数値を、指定したpipsの値で補正したもので適用することができます。
数値をより少ない方向に補正したい場合は、数字の前にマイナス(-)を付けることによってマイナスの値として扱うことが可能です。
補正値を設定することができる条件項目は、以下の2つです。
ローソク足
ローソク足の値に対して、補正値(pips)を加算・減算することができます。
それぞれ適用価格や計算位置を変更することによって、「1本前のローソク足の高値 + 20 pips」といったように値を取得することができます。
移動平均線
移動平均線の値も同様に、補正値(pips)を加算・減算することができます。
移動平均線の種類や適用価格、計算位置などをを変更することにより、複雑な条件を設定できるようになります。
補正値の活用方法
これらの補正値を活用することにより、従来よりも複雑なプログラムを実装することができるようになります。
では、実際にこの補正値を用いることによってどのような手法を実装することができるのかということを見ていきましょう。
ローソク足の補正値
まず、補正値を用いた基本的なロジックについて確認していきましょう。
下記は条件1が成立した場合に、売りエントリーを行う例です。
左辺(ローソク足)にて、現在のレートを示します。
右辺(ローソク足)では、現在のローソク足の始値に対して、-10pipsの補正を行っています。
このように条件を設定することによって、現在のレート(終値)と始値 - 10pipsを比較するようになります。
現在のレート(終値)が始値から10pipsより下がれば、条件1が成立したとみなされて売りエントリーが行われます。
移動平均線の補正値
次に、移動平均線における補正値を用いた手法について紹介します。
移動平均線に補正値を用いることによって、移動平均線同士の乖離の大きさや、その他のインジケーターの数値との乖離を測ることができるようになります。
下記は条件1が成立した場合に、買いエントリーを行うサインとして設定しました。
期間25の移動平均線が、期間75の移動平均線よりも10pips高い値になったかどうかを判定する条件になります。
また、下記は期間20の移動平均線が、期間50の移動平均線 - 50pips よりも大きな値になっているかという点について比較する条件式になります。
この他にも選択肢はたくさんあるので、様々なインジケーターとの組み合わせを試してみましょう。
窓開け・窓埋めの利用
次に、ローソク足の補正値を用いて窓開け・窓埋めについて検知するような条件の設定方法を学びましょう。
「窓」とは、ローソク足チャートで隣り合うローソク足の間に価格の空白が生じる現象を指し、「窓開け」とも言います。
この窓開けは市場の勢いや不確実性を示すもので、投資家やトレーダーにとって重要なサインとなることが多いです。
一方、「窓埋め」とは、開いた窓を埋めるようにローソク足が動くことを意味します。
株式投資には「埋めない窓はない」という相場格言があり、窓が最終的に埋まることが期待されると考えられています。
EAつくーるでは、ローソク足の高値や安値に補正値を加えることで、価格が急に飛ぶ「窓」の動きをロジックに組み込むことができます。
上昇相場の場合、窓が発生しているかを判断する条件は、以下になります。
左辺のローソク足「1本前の高値」に対して、補正値10を設定しています。
右辺はローソク足「0本前の安値」を設定していますので、ローソク足「1本前の高値」+10pipsよりもローソク足「0本前の安値」が超えている状態の「窓」が判断できます。
※補正値を大きくすると、より強い勢いの「窓」を表現できます
下落相場の場合の場合は、「1本前の安値(±補正値) > 0本前(現在)の高値」と設定することで窓を条件に組み込むことができます。
おわりに
補正値とその活用方法については以上になります。
エントリーは窓開け、決済は基本項目の「損切り」「利食い」を利用したシンプルな窓埋めEAも簡単に作成できます。
EAつくーるで作成したEAは、条件の組み合わせ、条件指定の誤りなど、様々な理由で意図したとおりに稼働しない場合もございます。
バックテストおよびデモ口座にて、稼働確認ができてから、リアル口座にて稼働開始をお願いいたします。
今後とも「EAつくーる」をよろしくお願い申し上げます。
よろしいですか?