裁量経験者用「今の相場でEAが勝ちやすいのか負けやすいのか」を外部から判断する
FX
「FX取引のことなんか何もわからない」「裁量取引を勉強する時間が取れない」
そのような方はEAの性能を見抜く力だけを身に着けて、取引はすべてEAにお任せというスタイルで構わないと思います。
そのための自動売買ですのでそこは最大限に生かしましょう。
しかし入り口が裁量取引だったトレーダーはEAが持つポジションに対して「違和感」を覚えることもあると思います。
ある程度ロジックが公開されているものでさえ「そこでロング持つ?」的な取引は多々起こります。
その裁量トレーダーにとっての不可解な動きに対して不信感を覚え、EAから離れていく方が多いのです。
これはEAが「相場の急変動やその時の経済状況などファンダメンタル的なことを加味できない」から起こることですが
裁量経験者ならある程度の環境認識はできるはずです。
今回はその経験値を使いながら、外部からEAが勝ちやすい状況なのか負けやすい状況なのかを判断する方法をご紹介します。
そのために使うツールは「通貨強弱」です。
通貨強弱とは
FX(為替取引)は2か国間の通貨同士を組み合わせた通貨ペアでその価値の差を取引します。
FXの通貨強弱とはペアとなっている通貨のどちらの価値が高くなっていてどちらが価値が低くなっているのかを視覚的にわかりやすくしたものです。
もう少しわかりやすくかみ砕いていきましょう。
例えば最近ニュースでよく聞く「1ドル160円」というのは「現在アメリカドル1ドルに両替するのに日本円が160円必要です」という意味です。
ではこの「1ドル160円」が「1ドル200円」になったとしましょう。
先ほどまで1ドルに両替するのに160円で足りていたのに、今は200円必要になっています。
これはドルの価値が日本円に比べて高くなっているので、両替するのに日本円を多めに支払わなければいけなくなったということです。
つまり「ドルの価値が上がった、もしくは日本円の価値が下がった、あるいはその両方」ということになります。
FXでは通貨ペアの価格が上がったり下がったりすることに対して取引を行い利益を上げていきますので、どの通貨の価値が上がっているのか下がっているのかがわかっていればその情報は大きな武器となります。
通貨ペアにおける各通貨の価値の差に大きな変化があれば価格変動が大きくなり、値動きが活発になります。
逆に各通貨の価値の差が一定であれば価格の変動は小さく、値動きは小幅になります。
言い換えれば「トレンドが出やすい状況か、レンジになりやすい状況かもわかる」ということです。
上図の右端の状況で見ていくと、EURとAUDの通貨強弱は似たような位置にいるので力関係は拮抗しておりレンジになりやすいと言えます。
一方でUSDとNZDは通貨強弱が大きく離れているため力関係がはっきりしておりトレンドが出やすいと言えます。
もしEURAUDのトレンド系EAを稼働しているならば一時的に止めることで負けを減らすことができますし、USDNZDのレンジ系EAを稼働しているならば一時的に止めることでこちらも負けを減らすこともできます。
通貨強弱を確認することでお使いのEAが勝ちやすい相場なのか、負けやすい相場なのかを判断していくことができるのです。
通貨強弱を確認することでお使いのEAが勝ちやすい相場なのか、負けやすい相場なのかを判断していくことができるのです。
通貨強弱はFX取引を有利に進める為のお守り
通貨強弱は2か国間の通貨価値の差を見ています。
そのため、FXで取引をするにあたって通貨強弱を無視するということは、天気予報を見ずに旅行やイベントの計画を立てることに等しいのです。
天気予報は当たらないかもしれないですが、わざわざ土砂降りの予報が出ているときにBBQの予定は入れないでしょうし、台風が迫る危険性があるのに海への旅行は計画しないでしょう。
通貨強弱は中央銀行の政策金利の動向によって大まかな流れが作られますが、一方通行で推移するわけでもありません。
それでも、天気予報とおなじである程度の方向性の目安にすることができます。
自分が使っているEAが得意な相場なのか苦手な相場なのかを外部から判断しEAが勝ちやすい状況をトレーダー自身が後押ししてあげるようなものです。
日足や週足などの大きな目線で今週、今月の大まかな動きを見ながら稼働するかどうかを判断してみるのもひとつの取引スタイルです。
是非、通貨強弱をご自身の取引手法の中にお守りとして取り入れてみてください。
ちなみに私の運用方法は「EAはほったらかし」です。
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