EAの保有時間気にしてる?~スワップ金利による収支の変動~①
FX
EAの中にはトレンドを追いかけることで保有時間が長くなったり、損切りが深いことでプラス転換するまで長めに保有するロジックを持つものもあります。
大きな利益を狙ったり、極力損切りを少なくすることで資金を減らさないなど様々なことを開発者は考え検討し、テストをしてEAを世に放ちます。
しかし長いバックテストが行われている中でもあまり検討されていないものが「スワップ金利」です。
平均保有時間の長いEAを採用されている方は、ぜひ知っておいて欲しい知識のひとつです。
スワップ金利とは?
EA稼働時にポジションの損益に加えてプラスやマイナスの金額がついていることがあります。
ブレイクイーブンで建値で決済したはずなのに資金がマイナスになっていたり、決済額よりも多く利益が出ていたりすることがあります。
それが「スワップ金利と呼ばれる保有ポジションに対する利子や利息」です。
スワップ金利とは2つの通貨の金利差の調整
FXにおけるスワップ金利とは「2か国の通貨を交換した際に2つの通貨に金利差があった場合、その金利分を受け取れる、または支払う」ことを指します。
FXでは通貨ペアを指定して売買を行うため、原則として金利が高い方の通貨を買った場合は金利差を受け取れますが、金利が低い方の通貨を買った場合は金利差を支払います。
スワップ金利の受取や支払いが発生するのはポジションを翌営業日に持ち越したときだけなので、その日のうちに決済を迎えたポジションにはスワップ金利がつくことはありません。
スワップ金利はその性質からスワップポイントとも呼ばれます。
保有時間の長いEAでは翌営業日にポジションを持ちこすことがありますが、この持越しが行われたときに保有する通貨ペアの金利差によってスワップ金利が付与または支払いとなります。
金利差とはなにか
各国の通貨には保有すると金利、いわゆる利子が付きます。
例えば日本でも銀行にお金を預けるとほんのわずかですが利子が付きますね。
FXでは2つの国の通貨ペアを売買しますが、その時に取引する2か国の通貨にもそれぞれ金利がついています。
金利ですので「通貨を買った場合はその利子を受け取り、売った場合はその利子を支払う」ということになります。
2つの通貨の金利を比べて、その差額を受け取ったり支払ったりすることになります。
例えばUSDJPYを10万通貨分、売りで取引したとしましょう。
<USDJPYを売り>ということはドルを売って円を買ったということになります。
現在アメリカの金利は高く日本の金利は低い状態です。
仮に10万通貨で取引した際の金利が、USDは120円、JPYは10円とした場合、このポジションは1日ごとに110円のスワップの支払いが必要になります。
なぜなら「USDを売っているので120円の利子の支払い」が生じ、「JPYを買っているので10円の利子の受け取り」があるからです。
その差が「マイナス110円」となり、スワップ金利として110円の支払いとなるのです。
金利差が開けば受け取りや支払いの金額は増えていきます。
EAの売買成績以外に持ち越しによる受け取りや支払いがあると、そのEAの損益額に影響を与えてしまうのです。
次回はスワップ金利の特徴について紹介していきます。
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