両建てEAを利用する際の注意点とブローカーからのペナルティ②
FX
【またぎ取引】はバレます!
ここでひとつの疑問が浮かんだかたもいるでしょう。
「別口座はまだしも、ブローカー間をまたいだ両建て取引ってばれるの?」
実はFXブローカーはこの対策をかなり厳しく行っており、各社が協力して怪しい取引がないかチェックをしているため、残念ながら確実にばれます。
どのようにチェックをしているのかを全て公表してしまうと隙間を狙った取引が行われてしまうため明らかにはされていませんが、次のようなことで対策をしていると言われています。
・MT5やMT4を介した取引は業者間で共有できる
・価格提供を受けるLP(※)が同じ場合はサーバーから取引履歴を共有できる
・明らかなハイレバレッジ取引を感知するツールが共有されている
疑わしい取引があった場合はその取引がマークされ、同じような反対売買がないか共有されている履歴から検索し口座所有者などの紹介が行われます。
その際に名義人、登録住所、開設時期、入金時期、注文日時、使用サーバー、IPアドレスなどが照合され、両建てと認定されれば口座の凍結などの罰則がくだされます。
名義人だけで判断しているわけではないため、家族やグループ内での両建ても簡単に発覚してしまいます。
一見するとわからなさそうなブローカー間の両建て取引も様々な対策がなされており「ほぼ確実にルール違反の両建て取引はバレる」のでやめておきましょう。
※LPとは
リクイディティ・プロバイダ-(Liquidity Provider)の頭文字をとったもので、FXブローカーに対して価格レートを提供する銀行などを指します。
一般的にFXブローカーは、複数のLPから価格の提供を受けることで市場の流動性を確保しています。
ブローカーによって少しだけ価格が違ったりするのはそのためです。
代表的なLPとして「Bank of America」「J.P.Morgan」「NOMURA」などがあります。
禁止事項に接触した場合の重いペナルティ
FXブローカーは違反者に対して猶予を与えることはありません。
疑いの段階でも「疑われるような行為をした」ということで罰則の対象となることも少なくありません。
禁止事項に接触した場合のペナルティを見ていきましょう。
・口座の凍結、または強制閉鎖
・利益、ボーナスのはく奪
・出金拒否、ログイン拒否
・ブラックリスト掲載
ご自身では両建てをしたつもりがなくても「禁止事項に接触したと判断」された場合は上記のペナルティを受ける可能性があります。
特に利益のはく奪はトレーダーにとって生活に関わる重要なものですので、疑わしい行為をしないように心がけておきましょう。
実は著者もペナルティを受けたことがあります。
2つのブローカーで口座を開設しどちらにも同じEAを導入しブローカー間の成績の違いをフォワードで取る目的です。
ひとつのブローカーは通常計測なので普通の口座でスワップもちゃんと付与される口座でたくさんのEAをポートフォリオを組んで運用をしていました。
もう一つのブローカーはスワップフリーの口座でショートを多く持つタイプのEAを運用しました。
その理由はスワップによる成績の違いをフォワードで計測するためで、マイナススワップによる成績の違いを取りたかったのです。
初めの半年間は特に何事もなく進んでおりましたが、ある日スワップフリーの口座を利用していたブローカーから突然こんな内容のメールが来ました。
「あなたの取引はスワップフリーを巧みに利用した不正な取引であると判断されました。そのため今回の取引に際して本来かかるはずであったの
スワップ金利をお支払いいただく必要があります。また、あなたの口座では今後スワップフリー口座の利用を制限させていただきますことを
お知らせいたします。」(本来はもっと長い文章でしたがかなり端折ってます)
ちょうどドル円が初めて150円を付けた直後からの長期下落の時期でしたので、普通口座で回していたEAの短期ロングとスワップフリー口座のトレンド追従の長期ショートで他口座間の両建てと判定されたかのかもしれません。(EAによる取引であるというのはブローカー側にはわかるはずなのですが…)
理由を説明しましたが返答もなく翌日にはショートポジションに対する2週間分のマイナススワップが急にポジション損益に反映されました。
つまり「猶予、弁明の余地なし!疑わしきは罰する!」ということです。
以降、私はスワップフリー口座の利用が一切でき無くなりました…利益が凍結されなかっただけマシでしたが、出金もいつもは即日なのにこの時ばかりは1週間ほどかかりました。
みなさんも気を付けましょう。
とはいえ、色々な口座でEAを回してもペナルティを受けていない方もたくさんいらっしゃるので、相互の取引量が拮抗していれば問題ないのかもしれません。
いくつかの口座でEAを回す際には似たようなポートフォリオを組むことがペナルティを回避する方法のひとつかもしれません。
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