[システム・トレード] 優位性の重要性
こんにちは。2payです。
今日は前回の続きで、優位性について深堀したいと思います。
トレードで長期に渡って利益を上げ続けるためには、統計的に優位だと判っている局面だけ取引すれば良いという話は以前もしましたが、
それでは具体的にどうやって優位性を見つけるのか、という問題に当たりますよね。
優位性は簡単には見つからないので多くの人は自力で探すのを諦め人の手法を真似るわけですが、私個人としては真似する事自体は良いと思っていて、検証せずに信じて突っ込む事がダメだと思っています。
「めっちゃ勝てる手法」って書いてあるのに対して勝てなくて、そこに自分でアレンジを加え始めて、沼にハマっていくというのが典型的な失敗ではないでしょうか?
どこで間違えたかと言えば、手法の検証を行わずに取引を始めてしまったことに起因しますよね。
過去数年分シミュレートしてみて、勝率や平均獲得値幅、最大ドローダウン等を把握していれば、日々のパフォーマンスで多少下振れた程度では動じなくなるはずです。
運用時のマインドは数学的根拠を手にしているだけで大幅に改善されます。
脱線しましたが、優位性の見つけ方に関するヒントを挙げます。
非常に重要な事なので前置きしますが、優位性を見つけるために注目するべきデータは、「価格」と「時間」です。
チャートは価格と時間の2軸で表現されており、何よりも最優先にこの2項を調べるべきなのです。
時間について見るべき点は、サイクルにあります。
繰り返し同様の結果を残す可能性が高い(偏りがある)時間帯を見つけることがカギになります。
ゴトー日もその1つですが、東京時間10時(仲値)までに買いポジションを決済し、それ以降は反対に売りポジションを持つことで、利益を生み出しやすい環境が整っています。
ポイントは10時という仲値時間にあり、それまではドル円が上がりやすく、それ以降はドル円が下がりやすいという点です。
それだけ分かっていれば、買いポジションは何時に買い始めるのか、売りポジションは何時に決済するのか、有効な時間を調べれば良いのです。
それに加え、前倒しゴトー日の有効性や、曜日毎のスコア等も把握しているとパフォーマンスに磨きがかかります。
他の例で言えば、ブレイクしやすい時間帯を絞ることです。
各市場は開場・閉場時間が決まっており、3大市場と言われる、東京・ロンドン・ニューヨークの開場中は市場の流動性が高まります。
それを利用し、閉場中は大きな動きは少なく(もみあい)、開場中(特に開場から1時間)は大きく動く(トレンド発生)と見ることができます。
私が先物取引で使っていた手法で、9時~10時の間に直近高値を出来高を大きく伸ばしながらブレイクした足を確認してエントリーするというものがあり、これは非常に効果的でした。
先の例を少し応用し、全ての時間で運用していたシステムを、特定のパフォーマンスの良い時間だけに絞るというのも1つの戦略です。
私も取引を始めたての頃は、とにかく数を稼ぐ必要がある(期待値の積み重ね)と思って四六時中頑張って取引していましたが、そういうのは逆効果だと後から気づくことになりました。
取引回数が増える程手数料が嵩み、パフォーマンスの低い時間帯の取引がパフォーマンスの高い時間帯の取引の足を引っ張る結果になるという事を認識できるようになることが重要です。
価格に関して見るべき点は、陽線・陰線・ボラティリティ(あるいは出来高)の偏りです。
ランダムウォーク理論という言葉を一度は聞いた事があると思いますが、市場が完全に効率的であるかどうかが現代でも議論されています。
ちなみに私は半分否定派で半分肯定派です。
まず将来の価格が上がるか下がるかという推測はイーブン(50:50)であり、完全効率だと考えています。
計測期間の最初と最後が同値になる期間で、陽線と陰線の数を集計してみました。
厳密には差がありますが、配分はほぼ半々(50.〇〇%)といった所でした。
面倒なので集計した結果の画像とか貼りませんが、複数の通貨で検証し、どれも同様の結果に落ち着いた感じです。
これがランダムウォークを肯定する側面になります。
この計測期間を上昇トレンドで測定すると、陽線の割合が53~56%まで上昇し、下降トレンドの場合は陰線の割合が53~56%まで上昇します。
もし、「上昇トレンド時、始値で買って、終値で売る」または、「下降トレンド時、始値で売って、終値で買う」といった簡単なロジックを組んでシミュレートしたらどうなるでしょうか?
偏りである3~6%の足の分だけ利益になりますよね。(そこからスプレッドや手数料は差し引かれますが。)
これらの結果は「トレンドはフレンド」のような格言が支持される背景として統計的に裏付けられる理由になると思います。
つまり、トレンドは利益を出すための最適な地合いであり、トレンドフォローをする事は資金を増やすための適切な行動であることを証明できるようになります。
反対に、トレンドに逆行するポジション取りは損失を招きやすいことが言えます。
実は価格の仕組みはこれだけではなく、ボラティリティの配分こそがミソだったりします。
価格やランダムウォークに関してはまだ説明が不十分なので追記したいのですが、長くなってしまったので次回に回します。
ありがとうございました。
Is it OK?