【必見】中銀ウィークの注目ポイントまとめ
昨日(3/18)までの相場状況
米国(FOMC前)
米景気指標の陰りや通商政策の不透明感が重なり、米ドルは年初来じりじりと売られる展開でした。一方で消費者物価の粘着的な高止まりが続き、「景気減速 × インフレ」というスタグフレーション懸念もくすぶっています。
こうした中、19日のFOMCは利上げ打ち止めが既定路線となり、いよいよ年内利下げが視野に入るかどうかが注目ポイント。市場では「年内2回の利下げ」を織り込み始めていますが、パウエル議長がどういったトーンで語るか次第でドル相場や株式・債券が大きく動く可能性があります。日本(日銀会合前)
前回1月に利上げしたばかりということもあり、今回は「現状維持」が大方の見方。春闘で大幅賃上げが続く一方、世界経済の先行き不透明感が強まっており、今すぐ追加利上げを急ぐ雰囲気ではありません。日銀としては1月の利上げ効果や海外リスクを慎重に見極める段階にあると考えられ、19日の金融政策決定会合は据え置きがほぼ確実視されています。
結果として、足元の円相場は「どうせ今回は動かないだろう」との観測からやや円安に振れて安定。もっとも植田総裁の記者会見で、長期金利上昇へのスタンスや今後の利上げペースに関する示唆が出れば、円・債券市場が瞬間的に動くシナリオもあり得ます。欧州(BOE前、ECBは様子見)
ECB(欧州中央銀行)は追加利上げを基本的に打ち止めし、しばらく据え置き姿勢。しかしドイツの大規模財政支出が合意され、ユーロは対ドル・対円とも年初来かなり上昇してきました。
一方、20日のBOE会合では政策金利据え置きがコンセンサス。もっとも英国はインフレが根強く、指標次第で利下げ時期も含めた見通しが変わるリスクがあります。対ドルでポンドは1.30ドル前後が大きな節目。BOE声明や財政関連のニュースで英ポンドが大きく動く可能性も指摘されています。
中銀ウィークの注目点:FOMC・日銀・BOEが相次ぐ「3連発イベント」で短期相場は乱高下も
FOMC(19日発表)
政策金利据え置きがほぼ確実視。
市場は年内2回程度の利下げを織り込み済み。
パウエル議長が「インフレ vs. 景気後退」どちらを優先して発言するか注目。
“Fedプット”(景気が悪化すればFRBが救済に動く)への市場の期待がなお残るため、声明・ドットチャート・会見がドル・株式・金利を大きく動かす可能性あり。
日銀金融政策決定会合(19日)
前回利上げ後の“検証期間”という位置づけで、追加利上げは見送りが大勢。
円相場は「日銀は動かず」との見方で円安気味に推移しているが、植田総裁の記者会見内容次第では短期的にブレが生じうる。
長期金利(10年債)1.5%超えに対し、日銀がどの程度“容認”するかがポイント。急激な上昇には「臨時国債買い入れで対応」と明言済み。
据え置き確定なら、ドル円・クロス円は再びFOMC後の米金利動向に左右される展開へ向かう可能性。
MPC※英中銀の金融政策会合(20日)
高インフレに苦しむ英国だが、景気の不透明感から今回の利上げは見送りが有力。
複数の英指標(賃金、CPI、財政関連など)が同時期に出るため、ポンドは材料次第で上下リスク。
ポンドドル1.30ドル突破なるかが注目。英中銀が予想外のタカ派姿勢を示すならポンド買い、早期利下げ観測が強まればポンド売りに傾きやすい。
ファンダメンタルズとテクニカルから見る短期シナリオ
■ドル(USD)
年内利下げ観測が強まるなか、ドルは下げ基調が基本線。
FOMCで「年内2回以上の利下げ」を示唆→ドル売りが加速する可能性。
逆に「利下げは慎重」とタカ派寄りになれば短期的にドル買い戻しも。
テクニカル面ではすでに4カ月ぶり安値圏まで下落しており、過度なドル売りの反動が出やすい点には要注意。
■円(JPY)
日銀の追加利上げなしがコンセンサスで、ここ数日はやや円安方向。
短期的にはFOMC(米金利)の影響が大きく、リスクオン/オフにも左右されやすい。
国内では春闘の賃上げ率が高く、半年おきに利上げを進めるという“緩慢な引き締め”シナリオが基本。
ただし世界リスクが再燃すれば、安全資産買いで急な円高が起こり得るため、ポジション管理に要注意。
■ユーロ(EUR)
ドイツの大規模財政拡大に市場が好反応し、ユーロドルは1.09ドル台へ急伸。
1.10ドルが目先大きなレジスタンスで、抜ければさらに上昇余地。
ECBはほぼ引き締めを打ち止めしつつも、米国が利下げに向かう分だけ相対的にユーロが買われやすい構図。
ただしウクライナ情勢や対米貿易問題の進展次第で乱高下するリスクあり。
■ポンド(GBP)
英中銀(BOE)会合での据え置き確実視、年内2回の利下げ観測も。
直近はドル安に連れる形でポンドも上昇してきたが、独自の“強い材料”が乏しい面は否めない。
BOE政策や英国財政発表などのイベントが重なるため、イレギュラーな値動きに警戒。
ポンドドルは1.30ドル前後が大きな分岐点。上抜けならテクニカルに上昇余地が広がるが、失敗なら一旦反落の可能性も。
イベント通過後の「値動き加速」に備え、柔軟なポジション対応を
今回はFOMC・日銀・BOEともに大枠で「様子見」が濃厚ですが、それだけに声明や総裁会見のちょっとした文言がサプライズ要因になりやすい点に要注意です。
とりわけFOMCでは“年内どのタイミングで利下げに動くか”、日銀では“長期金利上昇への許容度”、BOEでは“英インフレ見通しの判断”が相場を揺らす大きなカギとなります。
短期的には、これら3イベントが通過した後に一方向へトレンドが加速する可能性があります。中途半端に先読みして逆に踏み上げられるよりも、イベント結果を見極めてから素直にフォローアップする方が賢明かもしれません。ファンダメンタルズとテクニカル双方で節目や想定レンジをチェックし、急変リスクに備える形が今週の基本戦略になるでしょう。
■まとめポイント
FOMCでは利下げ観測の扱い(ドットチャート・パウエル会見)でドルが上下に大きく振れる可能性。
日銀会合は「据え置き」前提だが、総裁会見での長期金利観・政治リスク言及に注意。
BOEは利上げ停止でもインフレ次第で将来パスが変化。ポンドの変動要因が増える。
イベントを経てトレンドが出たら追随する戦略がベターか。
3月後半から4月にかけて米・欧・アジアそれぞれで追加の景気指標や財政動向が公表されるため、FX相場はまだまだ落ち着きにくい環境が続くとみられます。
大きな波にうまく乗るためにも、今週のFOMC・日銀・BOEという「3連発イベント」をしっかりウォッチし、相場の分岐点を冷静に見極めていきたいところですね。
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