トランプ相互関税ショックでリスクオフ相場
昨日(4月2日まで)の相場状況
1. 関税ショックによるリスクオフ
米トランプ大統領が4月2日、包括的な「相互関税(reciprocal tariff)」を発表
すべての輸入品に最低10%、さらに対米貿易黒字が大きい国には20~34%超の追加関税。
特に中国34%、日本24%、EU20%、ベトナム46%など想定以上の高率。
発表直後、株式・リスク資産が急落、ドル円は一気に148円台へ円高。
世界景気後退懸念が一気に台頭し、株安・債券高・金価格急騰・ドル安(対円やユーロ)といった典型的なリスク回避相場へ。
日本株・米株の大幅安、米10年債利回りは一時4.0%台前半へ低下 → 日米金利差縮小でドル円が下押し。
2. 4月2日以前の下地:米景気指標・FRB動向
米景気減速シグナル
3月ISM製造業指数が半年ぶり50割れ(景況悪化域)。2月JOLTS求人も減少。
ただし2月ISM非製造業(サービス)は53.5と堅調で、内需は底堅い面も。
FRBは利上げ休止→年内利下げ観測強まる
PCEコア物価が上振れしインフレ懸念あるが、それ以上に貿易摩擦による景気後退懸念が優勢。
金融市場は年内2~3回の利下げを織り込み始め、ドル売り圧力が台頭。
3. 欧州・日本への影響
EUも対米報復を検討
鉄鋼関税などで最大260億ユーロ規模の対抗策を4月中旬発動へ。
欧州景気悪化懸念でECBは追加利下げ観測もあり、ユーロは対ドルでの上昇余地限定的。
日本
東京CPI3%台で日銀正常化観測ある一方、関税24%による「輸出企業への打撃」で日経平均急落。
円は「安全通貨」買いで独歩高。ドル円が3月末から急落し4月2日には148円台突入。
本日(4月3日)東京時間の展開
前日の米関税発表を受け、東京市場はリスク回避一色
日経平均一時▲3%超の急落で8カ月ぶり安値圏。
ドル円は147円台半ばまで円高進行、欧州通貨も対円安値を更新。
安全資産(債券・金)への資金逃避が顕著
米長期金利さらに低下、金は一時オンス3,160ドル超(過去最高水準)。
当局(日本政府・日銀)の円高警戒感高まる一方、一部では関税交渉の妥協期待もあり「過度の悲観は行き過ぎ」との声も。
今週の重要イベントとポイント
4月2日 関税発表の余波
内容が予想以上に包括的+高関税率 → リスクオフ継続。
対抗措置・交渉進捗のヘッドラインに相場が敏感反応。
4月3日 米ISM非製造業指数(3月)
2月は53.5と堅調だったが、3月は若干の減速予想(50台前半)。
大幅悪化なら米景気後退懸念強まり、ドル売り・リスクオフ加速。
4月4日 米雇用統計(3月)&パウエル議長講演
非農業部門雇用者数の伸びが20万人を下回るか注目。予想比下振れならドル安。
パウエル議長が関税問題や景気リスクに言及し、早期利下げの可能性示唆ならドル売り要因。
通貨別の相場の方向性見通し
■ドル円(USDJPY)
見通し: 円高圧力が続き、145円台試す可能性。
背景要因
世界株安・リスク回避で「安全通貨の円」を買う動き。
米長期金利急低下 → 日米金利差縮小 → ドル売り・円買い進行。
日本当局の円高牽制が強まれば145円割れの一気進行は抑えられるが、リバウンドしても150円前後で戻り売り。
■ユーロドル(EURUSD)
見通し: 底堅く推移し、1.10ドルをうかがう可能性あり。
背景要因
米景気後退懸念によるドル全般売りが継続。
ECB追加緩和観測でユーロ上値は限定的も、米FRBが利下げ急ぐほどの下振れ→ ドル安で相対的にユーロ買い。
1.07~1.08ドル台の強固なサポートを維持し、上値は1.10ドル近辺を意識。
■ユーロ円(EURJPY)
見通し: 円買い優勢で下落気味。
背景要因
米関税ショック → ユーロも売られるが、円の方が安全通貨として買われやすい。
欧州景気の不透明感(関税・ECB緩和)でユーロ単独での上昇余地が乏しい。
下値158円付近を割ると155円まで下押しも。上値161~162円が重い。
■ポンドドル(GBPUSD)
見通し: 底堅く推移し、1.32ドルが上値か。
背景要因
ドル安要因(米景気不安)とリスクオフ時のポンド売り要因が拮抗。
英国指標は底堅いものの、米通商交渉の不透明感や世界株安で積極的に買われにくい。
1.32ドル付近が上値レジスタンス、下は1.28ドル前後でサポートを想定。
■ポンド円(GBPJPY)
見通し: 円高主導の下落続く。192円割れを試すか?
背景要因
リスクオフで売られやすいポンド と リスクオフで買われる円 の組み合わせ。
英独自材料は目立たず、ドル円・株安連動で急変動。
短期では194円~192円のレンジ想定。戻り売り有利。
Is it OK?