ドットチャートと中立金利とは!?
本日2018年12月20日4:00にFOMC政策金利・声明文発表。 4:30からパウエルFRB議長の記者会見が予定されています。 今回のFOMCでは利上げが織り込まれています。 そのうえで、注目点は以下の2点だと思います。
1)ドットチャート
2)中立金利について
それぞれについてまとめてみました。
1)ドットチャート
ドットチャートとは、以下のように説明があります。
『米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが予想する、米国の政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの水準を、それぞれひとつの点(ドット)として散布図化した「政策金利の見通し」のこと。毎年3、6、9、12月に米連邦準備理事会(FRB)が公表する。』野村証券参照
まず、FOMCメンバーとは、米国の中央銀行に相当するFRB(連邦準備理事会)の議長・副議長・理事の人たちと、12の地区連銀総裁たちで構成されています。 そのメンバーたちが金融政策を話し合うFOMCで、将来3年間の金利予想を点(ドット)で表します。 その点(ドット)をチャート上に表したものを「ドットチャート」と言います。
ドットチャートでは、メンバーそれぞれが金利予想をするので、ばらつく時もあれば、偏ることもあります。 その中央値が、その年のFF(フェデラルファンド)金利、米国の政策金利の予想となります。
上記は2018年9月のFOMCで発表されたドットチャートです。 ざっくりと中央値を赤丸で表してみました。 9月の政策金利は2.25%です。 上記チャートでは、2018年のドットが2.25%から2.5%にかけて集中しています。 ということは、2018年が終わった段階で、政策金利が2.25%~2.5%になることを予想しています。 2019年が終わった段階で3.0%~3.25%を予想しています。
9月終了時点で2.25%なので、12月に利上げすれば2.5%になります。 2019年に2~3回利上げすれば、3.0%~3.25%になります。
このようにドットチャートを見ると、今後の利上げ回数予想が分かります。 3・6・9・12月のFOMCで公表されます。
地区連銀とは、FRB(連邦準備理事会)の下に位置する12の地区連邦準備銀行のことを指します。
ここで注意すべきは、どちらも「FRB」ということ。 ただ通称は違うので、間違えないように気を付けたいところです。
連邦準備理事会(連邦準備制度) → FRB → 通称:FRB
連邦準備銀行 → FRB → 通称:地区連銀
2)中立金利について
先日のパウエルFRB議長の発言で「中立金利」に注目が集まっています。 中立金利とは、景気を刺激も抑制もしない金利水準。 利上げや利下げをしなくてもよい、ちょうどいい金利水準のことです。
パウエル議長は10月時点で「中立金利には程遠い」と言っていたのですが、11月末の発言では「中立金利を若干下回る」に変わっていました。 10月時点ではちょうどいい金利水準には程遠い、まだ利上げが必要だと言っていたのに、11月末にはあとちょっとでちょうどいい金利水準、そろそろ利上げは終了という発言に変わったということ。
この発言で、一気に利上げ終了が懸念されるようになりました。
今回の記者会見で、中立金利はどのくらいなのか!? に注目が集まっています。 例えば、中立金利が3%前後ということであれば、12月に利上げがあれば2.5%なので、あと0.5%利上げすれば中立金利。 あと0.25%×2回の利上げで中立金利となります。 ということは、2019年に2回利上げを実施すると、利上げは終了ということになります。 利上げ終了が見えてくるということは、ドル買いの終了にもつながっていきます。 ドットチャートと合わせて注目していきたいと思います。
よろしいですか?