EA:ドローダウンの罠。20%以下に騙されるな!
期待利得と取引総数からみるEA
l 期待利得 (Expected payoff)
一回の取引で得られる利益の平均
l 総取引数 (Total trades)
取引回数
純益は 期待利得 × 総取引数 となります。
期待利得が多くても、総取引回数が少なくては、純益は増えません。
また極端に期待利得が多いケースや、総取引数が少ない場合は信頼性に疑問が付きます。
取引回数が多くても期待利得が少ない場合も同様に純益は期待できません。
取引回数が多い場合はスプレッド差、手数料が多くかかります。
このようなEAを使う時はスプレッド、手数料の少ないブローカーを選びましょう
複利の場合は後半の影響が強く現れますので、期待利得はあまり参考になりません。
ドローダウンはコントロールできる!
次はドローダウンです。
20%以下が良いEAと実しやかに語られました。
本当でしょうか?確認していきたいと思います。
ドローダウンはストップロスの無いEAでも0になりません。含み損も計算されるからです。
l 絶対ドローダウン
初期証拠金から最も減じた金額
開始日直後のマイナスが大きく影響しますので、重要ではありません。
l 最大ドローダウン
最も資産の増えた時から最も資産が減じた点の下落額
金額ベースで最大の下落ポイントを出しますから単利の場合以外は参考になりません
l 相対ドローダウン
最も資産の増えた時から最も減じた比率が大きい点の下落率。
相対ドローダウン(金額)は相対ドローダウン%が最大の時の金額になります。
このため相対ドローダウン(金額)は重要ではありません。
- 金額では 最大ドローダウン金額 ≧ 相対ドローダウン(金額)
- 比率では 相対ドローダウン% ≧ 最大ドローダウン(%)
となります。
相対ドローダウン%は比率ベースですので最大ドローダウンと場所が異なることもあります。
最大ドローダウンと相対ドローダウン金額や%が違う場合は単利では無いという事が解ります。
逆に同じだからと言って単利と言うわけではありません。
そしてここからが衝撃のトリックです。
一番上のテスターレポートとこちらをご覧ください。
↓↓↓
同じEAで同じ期間なのに下はドローダウン%が下がっています。
ご存知の方も多くいると思いますが、初期証拠金を増やせば最大、相対ドローダウン共に%は下がります。
明らかに単利とわかっているEAでは最大ドローダウン金額を参考にできますが、
解らない場合や複利、可変ロットの場合は、ドローダウンでEAの良し悪しは決めがたいという事です。
初期証拠金を決めるのに相対ドローダウン%は参考になりますが、あくまでも参考程度です。
EAのエントリーロットに関する特性がわからない場合は、ドローダウンは役に立ちません。
ドローダウンは
- 最適化、単利でドローダウン金額の確認
- 初期証拠金の設定時の参考
に使用しましょう。
よろしいですか?