為替相場の火種は消えず[太田二郎]
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太田二郎さんプロフィール
おおた・じろう。FXストラテジスト。1979年にザ・ファースト・ナショナル・バンク・オブ・ボストン東京支店にてFX取引を始める。後にマニュファクチャラーズ・ハノーバー・トラスト銀行、BHF銀行、ナショナル・ウエストミンスター銀行、ING銀行で法人向けの為替取引に従事、その後、リテールFXに従事し、米国のGFT東京支店で営業、後にマーケット・ストラテジストを経験、現在は個人投資家として活躍。
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※この記事は、FX攻略.com2019年5月号(2019年3月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
ハト派政策への転換を迫られる主要中銀
世界経済は鈍化する中で、株価の上昇も鈍く、債券利回りは軟化するリスク回避の動きが続いています。米連邦準備制度理事会(FRB)のみならず、欧州中銀、英中銀、カナダ中銀、豪中銀、NZ中銀などの主要中銀は景気鈍化でハト派の政策へと転換が迫られ、主要国は自国通貨高へと転換しにくい状態となっています。債券利回りの低下傾向がそれを表しており、ドイツ国債の低下が目立っていることが分かります。株価の変動では他国と比較すると米株が底堅い動きとなっており、為替相場でもドルに対しての信頼感はそれほど削がれることはなさそうです後で説明しますがユーロのネガティブ材料が気になっています(チャート①、②参照:購入者公開部分に掲載しています)。
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