日経平均が20,000円を達成するには
20,000円達成に必要な条件
日経平均が高値追いを続けた背景には円安の進展
→海外勢の大幅買い越しがありました。トランプ相
場のスタート点では14.5倍と割安感があったPER
(株価収益率)が円安による収益改善期待もあり、
拡大したことも株価の上昇を支えました。さらに株
価が高値を取り、20,000円を目指すにはこれら二
つが必要な条件でもあります。
PERは上限に近づく、
利益の上積みが必要
13~16年度のPERの高低は以下の通りです。年度
の区切りはPER算出の予想利益が新年度に入れ替わ
る6月から翌年3月までとしています。
(PER 高低)
最 高 最 低
13年度 16.63倍 14.02倍
14年度 17.55 13.94
15年度 16.64 12.97
16年度 16.64 12.62
(注)16年度は1/27まで
先週末のPERは16.60倍で過去4年のほぼ上限
に近い状況です。PERの拡大は利益成長の伸びに
よってもたらされるものです。日経平均ベースの
EPS(1株当たり利益)は週末段階で1,172円で、
前年度比伸び率は5%です。
10~12月期決算の発表が本格化しますが、足元
の予想EPSが1,200円から新年度に向けて1,300円
方向に上方修正されることが20,000円を超える必
要条件となります。 EPS1,200円でPER16.7倍な
ら、20,000円をクリアすることになります。
円安→海外勢の買い越しの循環に戻るか
今年に入ってからの週次ベースの海外投資家の現
物、先物、合計の売買差額です。
(海外勢の売買差額、百万円)
現 物 先 物 合計
~01/06 +232,623 + 19,754 +252,377
~01/13 +110,574 ▲151,611 ▲ 41,038
~01/20 ▲103,955 ▲192,709 ▲ 296,664
昨年初来高値を記録した1月第1週こそ買い越
したものの、足元では2週連続で売り越しで、今
年の3週累計でも売り越しとなっています。
10~12月の3か月で5兆円強買い越した海外勢
の勢いが鈍ったのはドル高・円安が止まったこと
によるものと思われます。今年に入ってからの週
間ベースのドル・円相場は下記のように円高で推
移しています。
(ドル・円相場、週間平均)
~1/06 116.7円
~1/13 115.2
~1/20 114.0
~1/27 113.8
円安→海外勢の大幅買い越しの流れが止まった
ことになります。昨年初来高値更新から、20,000
円を目指すには収益の上方修正、円安の進展、海
外勢の買い越し、株高の構図に戻ることが必要に
なります。これらの条件が満たされなければ、
20,000円達成は容易ではないということになります。
(追)
サンワード貿易さん主催の株式講演会に参加
します。
2月9日、18時開場の予定です。
足元の相場をベースに17年の市場を展望します。
ご興味のある方は
サンワード貿易さんのホームページで、
セミナー情報サイトにアクセスしてください。
席に限りがあるようですので、お早めに。
荒野 浩
よろしいですか?