私が大切にしている言葉[水上紀行]
あなたは一人の投資家として、教訓にしている言葉や考え方をお持ちですか? 相場の世界には、昔から語り継がれるさまざまな名言・格言がありますが、水上紀行さんはトレードをする上で「相場はこれ一回限りではない」という言葉を強く意識しているそうです。今回は、この言葉の真意を教えてもらいましょう。
※この記事は、FX攻略.com2019年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
水上紀行さんプロフィール
みずかみ・のりゆき。バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年、上智大学経済学部卒業後、三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。5年間の支店業務を経て、ロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。東京外国為替市場で「三和の水上」の名で知られる。ドレスナー銀行にて、外国為替部長。1996年より RBS銀行にて、外国為替部長を経て、外為営業部長。2007年より バーニャ マーケット フォーカスト代表。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。
相場はこれ一回限りではないと考える
私は「相場はこれ一回限りではない」という言葉を常に自分に言い聞かせています。今回は、この言葉を解説すると共に、それに関連した言葉もご紹介していきます。
相場が盛り上がりを見せると「ここで相場に入らないでどうする」と、自分自身にプレッシャーを与えることはよくあることだと思います。しかし、そうして自分自身を急き立てることが良い結果を生むとは限りません。むしろ急き立てたことで、まだ動き出すタイミングまでたどり着いていない段階なのにフライング気味に相場に入り、その後苦しい思いをすることが結構あります。
そこで発想を変え、相場はこれ一回限りではないと考えることが大切ではないかと思っています。相場はこれ一回限りではないと考えることによって自分を追い込むのではなく、頭をリラックスさせることが可能です。そうすれば相場へエントリーする本当のタイミングが見えてくるのではないかと個人的には考えています。
自分に合った相場というものがあります。相場を全部取ってやろうと考えるのではなく、自分が得意とする相場に乗ることに重点を置き、目の前の相場に乗り遅れても、大相場であれば動き出してから相場に参入しても決して遅くはないと考えることが、はやる気持ちを抑える上で大変大事なことだと思います。
トレーディングとは込み上げてくる欲望、中でも「儲け損なう恐怖」をいかに自分自身でコントロールできるかで、結果に違いが出てきます。究極的には感情をあらわにせず、さらっと取引を終わらせることがトレーディングには必要だと思います。
よろしいですか?