元為替ブローカーから学ぶ売買プランの作り方|第26回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析⑲[浅野敏郎]
浅野敏郎さんプロフィール
あさの・としろう。東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。
浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。
※この記事は、FX攻略.com2019年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
週足は揉み合いが続き日足は安心感あり
先月号からここまでの値動きを総括すると、安値Oから順調に戻した相場が初めて押し目らしい押しを入れた1か月間でした。Oからの上昇が今後も続くようなら、この調整波動もいずれは無視される可能性はありますが、最初の手掛りを得たのは事実なので、今月号のチャートも修正しておきます。O以降の戻り高値をP、そこからの押し目をQとします。週足ではQから1週しか経過しておらず、押し目としては脆弱ですが、日足では十分参考になりそうです。
またL-Mmid、 M-Nmid、N-OmidはL以降の重要な半値水準で、週足先行スパンの下限として表現されていますが、日足では確認しにくくなってきました。なので現状価格から見ればサポートとなるN-Omidとして追記いたしました。
早速、週足分析から始めます(チャート①)。先月号から今月号まではP以降の4本となりますが、相場は先行スパンに入り込んで逆転し、下限ギリギリでいったん下げ止まったものの、この下げで遅行スパンも再び逆転するなど、揉み合い相場を物語るように安定しません。今後もしQが当面の押し目と決まった場合、この109.60~70円水準は基準線、先行スパン下限N-Omidと重なり、遅行スパンに対しても有効であるため、ここより上側で推移できる限りは買い目線を維持できそうです。
ただ今後の目先は、しばらく厚みがある先行スパン内での揉み合いが順当に見え、来週一段上昇する転換線をサポートできれば、P-Qの半値水準以上を維持できることにもなり、来月号の時点でP水準付近にいれば、H-Imidの上抜けが試される可能性も出てくるでしょう。
日足で見ると(チャート②)、P-Qの押しはさらに明確になりますが、Qで一時先行スパンを割り込んだ以外は好転位置を維持できており、週足よりも安心感があるのは私だけでしょうか。ただ、転換線は既に逆転し、遅行スパンも脆弱な状態は買い目線も決して安泰とはいえない状況です。理想としては、来週早々にも一段下げる転換線や先行スパンの上限、あるいは遅行スパン下の基準線がサポートになれば、P程度までの上昇は目指せる展開に見えています。
よろしいですか?