仮想通貨の始め方|第8回 仮想通貨の値動き予想[不動修太郎]
法定通貨のFXと比べて仮想通貨の値動きは激しいので、予想を立てるのが難しいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は不動修太郎さんに、仮想通貨の値動きを予想する方法について解説してもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2019年6月号の記事を再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
不動修太郎(ふどうしゅうたろう)プロフィール
為替の講師、執筆者。出版社からセミナーDVD、対談CDを発売。金融取引所、証券取引所、FX業者、投資信託業者などでの講演の他、雑誌への執筆、FX・株式のスクール講師を務めている。
公式サイト:不動修太郎の「ニュース報道の裏側」
twitter:https://twitter.com/syutaro_fudo
抵抗線を意識する
初めにビットコインの2018年の3月から年末までの9か月間のチャート①をご覧ください。チャートの左側の2018年3月ごろは1ビットコインが106万円前後でしたが、そこから緑色の丸印を付けた71万円台まで急落し、その直後に急騰、さらに急落と荒い動きを見せました。
チャート①から分かる通り、その後も71万円前後のレートでもみ合っていました。つまり71万円付近がビットコインの相場の節目で、サポートライン(下値支持線)になっていると読み取れます。このように何度も相場が反転しているレートがサポートライン、あるいはレジスタンスライン(上値抵抗線)となるので、チャートに水平な直線を引いてそのレートを意識して相場を予想します。
チャート①に矢印を描いた11月の時点でサポートラインを下回りました。このように一度サポートラインを大きく割り込むと、その時点でビットコインを買う投資家が少なくなるので、さらに下落が続きやすいです。多くの投資家は、50万円など区切りが良い数字を意識するので、そのレベルが上値抵抗線や下値支持線になるケースをしばしば見かけます。
フィボナッチ数列を使ったテクニカル
ある株式銘柄、あるいは通貨が大きく動いた後にどこまで値を戻すかを予想する「フィボナッチ・リトレースメント」という有名なテクニカル指標があり、株式相場やFXで活用されています。これはイタリアの数学者フィボナッチが研究したフィボナッチ数列に由来します。その数列は、ある数字と次の数字を加えた答えがその次の数字になるという簡単な規則性があり、0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233…と続きます。それらの数字の比率から重要なフィボナッチ比率が、23.6%、38.2%、61.8%とされ、投資の手法としては、これに0%、50%、100%を加えて相場の値幅、反転するポイント、相場の強さの予想に役立てます。
ほとんどのテクニカルや酒田五法などのチャートの読み方は、過去の相場の値動きを基にして近い将来に相場が上がる可能性が高いのか、逆に下がる可能性が高いのかという方向性を予想します。それに対して、フィボナッチ・リトレースメントは、相場が大きく動いた後にどこまで値が戻るか等の値幅を予想する手法です。
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