「1円でも安く買え!」長期投資でパフォーマンスを上げる鍵は買値にあった
私が提供している投資顧問サービスはかつて、推奨銘柄を示し、会員が思い思いのタイミングで購入するものでした。優良で割安な銘柄なら、数年単位の長期では利益が出る可能性が高いと考えていたためです。
同じ銘柄を買ったのに、ある人は得をし、ある人は損をした
長期投資であるため、あまり細かな買いタイミングは気にしなくて良いと考えていました。私自身も、適当なタイミングで買ってしまうこともしばしばでした。
あるとき、推奨していた銘柄に対する見方が変わり、売却を勧めました。推奨時からの上昇率は約10%でした。大きな利益は得られなかったものの、損にならなかったから良かったと考えていたのです。
しかし、それに対する会員の反応はあまりにバラバラでした。ある人からは利益をあげられたと感謝され、ある人からは損したとお叱りを受けたのです。
あまりの反応の違いに
「これはサービスとして何かがおかしい」
そう思うようになりました。これまでのやり方は買いのタイミングを会員に任せていたため、人によって買値が全く異なっていたのです。
よく考えれば当たり前の話です。しかし、長期投資を言い訳に、深く考えることを怠っていました。まさに痛恨の極みです。
90円で買った場合と110円で買った場合とでは全く結果が異なる
確かに、100円の株価が200円になるなら、90円で買おうが110円で買おうが、それなりの利益をあげることができます。
しかし、100円で売らなければならなくなったとしたら、90円で買った場合と110円で買った場合とでは利益と損失で大違いです。
私の推奨も百発百中ではありません。時には損切りや、目標に達する前での売却を迫られることもあります。その中で損をしないためには、買値がいくらであるかは非常に大きなカギを握るのです。
もちろん、200円になって利益が出た場合も、110円より90円で買った方がいいに決まっています。上昇率にして、82%と122%の違いです。買値にこだわることで、投資パフォーマンスは劇的に改善します。
買値/売値 | 100円 | 200円 |
90円 | +11% | +122% |
110円 | ▲9.1% | +82% |
「何を、いつ、いくらで買うか」を示せる投資顧問になるべく・・・
私は投資顧問としてあるべき姿を考え直しました。推奨する銘柄は大切ですが、それ以上に「いつ、いくらで買うか」という行動こそが真にアドバイスすべき内容だったのです。
このことから、私は「パイロット運用」にて、指値による買値や売買のタイミングを示すことにしました。タイムリーな判断を下すことで、会員の方ができる限り迷わないようにしたいのです。
買値にこだわった投資で、現在200万円の入金額に対し約15%(30万円)のプラスです。大きく上昇した銘柄に支えられていますが、冴えない銘柄も安く買っているので、ほとんどプラスを維持しています。
長期投資は買ってから価値が実現するのをひたすら待つだけですから、買値が全てと言っても過言ではありません。
スーパーのチラシを見比べる主婦のように「1円でも安く買う」ことを徹底していきたいと思います。
よろしいですか?