板情報の見方・読み方・使い方〜板読みを覚えてワンランク上の投資家を目指す!|第4回 FXで注文状況を知る方法[大西洋平]
大西洋平(おおにし・ようへい)さんプロフィール
金融ジャーナリスト。出版社勤務を経て95年に独立し、マネー誌やビジネス誌、週刊誌などに金融経済分野を中心とした記事を寄稿。市場の最前線で活躍中のアナリストやストラテジスト、さらに上場企業トップの取材も多数手掛ける。FXをはじめ、金融取引全般に精通。
※この記事は、FX攻略.com2019年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
FXにおける板情報とそれに類する情報提供
株式投資においては、自分以外のトレーダーの思惑を探るために板情報をチェックするのが鉄則となっていますし、それを表示できない取引ツールというものはまず考えがたいでしょう。FXでも他のトレーダーの動向は気になるところですが、板情報は一般的な存在ではないのが実情です。
株式の場合は、東京証券取引所やニューヨーク証券取引所といった市場での売買が中心です。したがって、その市場に出ている買いと売りの注文数を価格帯ごとに分類して表示するのは難しいことではありません。
その点、FXはインターバンク(金融機関同士の取引)や、くりっく365といった市場ごとの取引と共に、店頭FXのように相対取引もグローバルな規模で行われています。それらの全取引を網羅して価格帯別の注文状況について情報提供を行うのはまず不可能だといえるでしょう。
とはいえ、把握できる範囲において公開することなら可能ですし、実際にそういった情報を提供しているケースもあります。日本国内でサービスを展開している一部のFX業者の中には、板情報やそれに類するデータを公開しているのです。
例えばスイス銀行グループの一員であるデューカスコピー・ジャパンでは、株式のトレードと同じように板情報という名称で、価格帯ごとにビッドとアスクの注文数量が表示されます。それらはスイスFXマーケットプレイスにおいて、個人投資家や金融機関、他のECN(電子商取引ネットワーク)から出ている注文を全て反映させたものです。
よろしいですか?