お取引は日本の業者で[中里エリカ]
中里エリカさんプロフィール
なかざと・えりか。サクソバンク証券株式会社マーケティング部長。大学卒業後、為替ブローカー会社、外資系銀行にて為替およびデリバティブのインターバンクでのトレーディング業務に従事。勤務していた会社が子会社として「オリエント・トラディションFX」(現在の外為どっとコム)を設立したのをきっかけに、長年FX取引に携わっている。その後、DMM.com証券、アルパリジャパン、デューカスコピー・ジャパンなどを経て現職。
※この記事は、FX攻略.com2019年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当コラムは執筆者の個人的見解に基づいて書かれたものであり、サクソバンク証券の考えを反映するものではございません。
最近、未登録のFX業者の広告を見かける。FX業者は内閣総理大臣による第一種または第二種金融商品取引業の登録を受ける必要がある。その登録事務については、金融庁長官から財務局長(または福岡財務支局長)に委任されている。
1998年の外為法改正の際には登録義務がなく、いろいろな業者が参入していたが、2005年に登録が必要となってからは業者も半分以下となった。それまでは監督官庁が決まっておらず法的規制もなかったことから、業者が顧客の口座で売買を勝手に行う、勝手に口座を開設するなどが横行。当時は電話取引がメインで、利益を得るために売値と買値を大きくずらして顧客に提示する業者も存在し、社会問題となっていた。
日本では商品先物会社がメインとなってFXの取引をスタートしたため、商品先物と同じく農林水産省、経済産業省が監督官庁になる可能性があったのだが、「絶対的なFXの信頼回復」という名の下に証券と同じ「金融庁」による管轄となった際には胸をなでおろしたものだ。さらには自主規制機関として現在の一般社団法人金融先物取引業協会が設立され、さまざまな形での規制が入り、それをクリアできない業者は何らかの処罰を受ける流れとなった。
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