元為替ブローカーから学ぶ売買プランの作り方|第27回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析⑳[浅野敏郎]
浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。
※この記事は、FX攻略.com2019年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
浅野敏郎さんプロフィール
あさの・としろう。東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。
取引前に全てが価格で想定できているか
さて、平成改まり令和最初の記事となりますが、史上初めての10連休を前にきりが良いこのタイミングで、私の「売買プランの作り方」について、基本的なアプローチの一部を改めてまとめてみました。
私が心掛けているのは唯一、取引を始める前にあらかじめ全てが価格で想定できていることです。というのも、想定なくして人間は行動しにくく、結果の検証も難しいと考えており、例えば移動平均線のゴールデンクロス(GC)で買うという根拠も、上昇トレンドが確定したとの想定に立っているものです。ただ、多くのインジケーターはそのものが結果論で、GCが発生したから上昇したのではなく、上昇したからGCしたに過ぎず、想定とも言い難いと考えています。
加えて、こうしたテクニカル指標の多くは、シグナルを事前に価格で示すことが難しいため、あらかじめ取引注文すら設定できない矛盾を抱えています。ですから、エントリー後の損切り注文だけは異なる手法を使うしかないケースも多く、手法をより複雑にしていると感じています。
もちろん、史上最高値や最安値を更新し続ける局面では、「あとは相場に任せるしかない」ということも当然あり得ますが、そうなるまでには多くのチェックポイントがあり、そのときには読者の多くがその波動に乗れているというのが、私がこの場で目指す理想です。
よろしいですか?