私がデイトレードをしている理由[水上紀行]
FXの取引スタイルは、スキャルピング・デイトレード・スイングトレード・ポジショントレードと、ポジションを持つ時間の長さで大きく4種類に分類でき、どのスタイルが自分に適しているかをあらかじめ把握しておくことはとても重要です。デイトレードメインの水上紀行さんから、今のスタイルに落ち着いた経緯や、時間帯別の値動きの特徴を教えてもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2018年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
水上紀行さんプロフィール
みずかみ・のりゆき。バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年、上智大学経済学部卒業後、三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。5年間の支店業務を経て、ロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。東京外国為替市場で「三和の水上」の名で知られる。ドレスナー銀行にて、外国為替部長。1996年より RBS銀行にて、外国為替部長を経て、外為営業部長。2007年より バーニャ マーケット フォーカスト代表。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。
良いレートと思ったらすぐ利食うことに専念
私は、もともとはリスクテイカーと呼ばれる長期のトレンドを追うトレーダーでした。相当大きなポジションを持ち、場合によっては1か月や2か月ポジションをキープすることもありました。もちろん、長期取引で大儲けした経験もあるわけですが、そのポジションキープには相当なストレスを感じていたのです。
相場はたとえ上昇トレンドであっても、一本調子に上げるわけではなく、上げては下げ、下げてはさらに上がるという具合で変動します。ロングポジション保有時に、下げが思惑通りのところで終わる保証はなく、内心ハラハラドキドキし、利食えてもヘトヘトでした。
そんなとき、ある友人の辣腕ディーラーに、そのことを話しました。彼いわく「そんなことをしたら、ダメだよ。それじゃあ、疲れるばっかりだ。俺なんか、利食いが大好きだから、どんどん利食っている。それでも、さらに相場が進むなら、また入り直せば良いんだ」ということで、まさに目からウロコでした。
それから方針を大転換して、デイトレードをするようになりました。今の方針は、まさに「ああ、良いレート!」と思ったら、すかさず利食っています。こうすると、本当に疲れません。それでは、なぜスキャルピングをしないのかですが、それほど深い理由はありません。やはり、長めの相場観を持つことに慣れているため、デイトレードの方が向いているのだと思います。
それでも時には、スキャルピングとまではいかないにしても、短期間に売り買いを繰り返すこともありますし、ポジションを持ってオーバーナイト(一夜越し)することも結構あります。ただ時間を限定しているのではなく、「良いレート!」と思えば、いつでも止めることにしています。あとは一日の時間帯別の特性を頭に叩き込んでいて、それに沿ってトレーディングしていることも、デイトレードに向いているのだと思います。
よろしいですか?