ガチのプロが限界まで優しく教える!村居孝美のシステムトレード入門|⑤ なぜ手法だけでは勝てないのか
システムトレードの第一人者として有名な村居孝美さんと、そのスタッフ吉田竜馬さんによる、誰でも分かる超初心者向けシストレ講座です。最終回となる第5回は「なぜ手法だけでは勝てないか」がテーマです。
※この記事は、FX攻略.com2018年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
村居孝美さんプロフィール
むらい・たかよし。一般社団法人日本トレーダーコーチング協会理事長、エクセレントホース代表取締役、スーパートレーディングスクールREED校長。NLP心理学に基づく国内外のトップトレーダーのモデリング法を伝授する「NLPトレーディング」の第一人者および現役システムトレーダー。トレーダーを専門とするコーチおよび投資法の指南役として全国的に活躍。現在は、日本の個人投資家に高水準のスキルを提供するコーチを育成し、執筆、講演、セミナー等の活動を行う。NPO法人日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)、米国NLP協会認定マスタープラクティショナー。
吉田竜馬さんプロフィール
よしだ・りゅうま。2013年、村居孝美による「NLPトレーダーコーチング」講座を受講後、生涯成績のプラス転換に成功。2016年11月、村居のトレーダー教育にかける理念と情熱に共感し、千葉から福井に転居し、スーパートレーディングスクールREEDのスタッフとして参画。トレード歴11年の現役システムトレーダー。手掛ける市場は日経225先物、FX、コモディティ、暗号通貨など多岐にわたる。
その手法を深く理解しているか?
吉田 今回のテーマは、「手法だけではなぜ勝てないか」ですが、実際に優れた手法を知っているだけでは、FXで利益を出すことは難しいのでしょうか。
村居 手法自体が優れている、具体的には統計的な優位性があることは、もちろんとても大切なことです。そういった手法を構築するために、検証が大切なことは、この連載でも何回か解説してきました。
ですが、その手法を、「きちんと自分のものにしているか」という部分も大切です。
吉田 自分のものにしている、とはどういうことなのでしょうか。
村居 その手法の全てを理解していることです。
まず、FXに限らず、全ての投資において、勝率が100%になることはありません。どれだけ優れた手法でも、勝ったり負けたりするものです。逆にいえば、一度のトレードでは勝つか負けるか分からなくても、何百回も繰り返すうちに、トータルでお金を増やせるというのが、良い手法にとっても限界です。
吉田 どれだけ良い手法を実戦投入しても、負けることはよくある、ということですね。
村居 はい、そうなります。ここで手法をちゃんと理解していると、少しくらい負けが続いて資産が減っても、精神的にぶれることはありません。
バックテストなどからデータを得ていれば、その手法の勝率や最大連敗数は把握しているわけですよね。これが、手法をものにしているということの意味の一つです。
吉田 同じ負けるにしても、想定内の負けであれば、慌てることはないんですね。
村居 また、手法の背景にあるものを理解することにも意味があります。システムトレードは、テクニカル分析が主体になりますが、なぜそのテクニカルを基準にするのか、どういう環境のときに売買をするのか、ということを理解していることで、信頼した状態で取引を繰り返すことができます。
逆に、人から教えてもらった手法などを、十分に吟味しないで実戦投入しても、そもそも信用も理解もないので、ちょっと調子が悪くなるとやめてしまうものです。
吉田 自分以外の人が開発した手法でも、作った人と同じくらい手法を理解した方が良いわけですか。
村居 そう思います。精神的な話になりますが、そこに信念があるかないかが鍵を握ります。
よろしいですか?