今後は各国の金融緩和と経済指標をにらみながら展開を見極めるマーケットになる可能性大!
GogoJungleが提供しているYEN蔵さんの投資メルマガ「リアル・トップ・トレーディング」より、本日配信されたものから一部をご紹介。
【相場観】
引き続き各国の金融政策の温度差がマーケット影響を与える動きが続いています。
7月のFOMCでの0.25%の利下げは週初から織り込まれ、米10年債利回りは1.94%まで低下しました。
5日に発表になった6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が22.4万人と予想の16万人を上回る強い数字となりました。これにより上半期の就業者数は月平均17.2万人の増加となり、2018年の月間平均である22.3万人からは減速しました。失業率は前月の3.6%から3.7%の上昇、U6失業率も7.1%から7.2%に上昇しました。
数字を受けて米10年債は2%を回復しドル円も108円台中盤に上昇しました。
FEDWATCHによると7月31日のFOMCで利上げ織り込み度は100%となっています。
FRBは5日四半期ごとに議会に提出する金融政策報告書を公表しました。今年前半の米経済は引き続き底堅いペースで推移する一方で、関税の引き上げが世界貿易や企業投資を圧迫して、最近数ヶ月で経済が弱まったとしました。景気の拡大維持に向けて利下げを含めて適切に行動すると協調しました。労働市場は年初以降引き続き強まったほか、最近の物価上昇率の低迷は一時的な影響によるものと指摘しました。
パウエルFRB議長は10~11日に半期に一度の議会証言を行います。マーケットではすでに0.25%の利下げを100%織り込んでいますから利下げに繋がるヒントがでてもそれほどサプライズは無いでしょう。ただ今回の雇用統計で強かったことで米長期金利とドルがどこまで上昇するか、上昇後に証言を受けて下落というパターンも考えられます。
またここに来てECBの利下げ期待も高まっています。今回ユーロ圏の人事が決まりEU委員長がドイツ人となり、必然的に時期ECB総裁がタカ派のバイトマン氏になることは無くフランス人のラガルトIMF専務理事に決定しました。これでドラギECB総裁のハト派路線が継承されることがほぼ見込まれました。いずれにせよECBの7月の利下げも見込まれユーロは下落していますが、世界的な金融緩和競争で債券利回りが低下し、長期金利の低下は株価のサポート材料となり米国のダウ、SP500が最高値を更新するなど株高となっています。
これまでのリスク選好、リスク回避の動きと異なり、株高、円高、債券高の動きとなっています。 今回の米雇用統計のように、弱い指標と強い指標がまちまちの状態で世界経済は減速しつつあっても底割れという感じではありません。世界的に雇用情勢も悪くない中でやはり金融緩和が株価を支える金融相場であるとともに経済も下支えしている可能性があります。金融緩和が株価だけでなく経済に対するサポートとなり実体経済が回復し、今回の経済減速が短期間で終われば株価の上昇が続く可能性もあります。 今後は各国の金融緩和と経済指標をにらみながら株価がどうなるのか見極めるマーケットになると思います。通貨に関しては金融緩和のスピードの違いが影響を与える可能性が高いものと思われます。
YEN蔵のリアルタイムメルマガ『リアル・トップ・トレーディング』(田代岳)より引用。
米国の利下げがほぼ確実だと予想される中、先週に発表された米雇用統計の数値がどのように影響するのか注目です。一方の欧州でも利下げの可能性が叫ばれており、今後はファンダメンタルの分析が重要になりそうです。(編集部)
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