利下げ期待の薄れはNY市場にマイナス材料、東京市場ではどうか?[杉村富生氏メルマガより]
GogoJungleが提供している杉村富生さんの投資メルマガ「杉村富生投資サロン」より、本日配信されたものからほんの一部をご紹介。
アメリカは大幅利下げ期待が後退、日本は円安に!
方向感の乏しい相場展開です。それと、ここ数日の動きはNY市場高→東京市場安、NY市場安→東京市場高の不思議な現象となっています。この背景にはまず、アメリカの利下げ期待の後退がありそうです。
6月の雇用統計(非農業部門の雇用者数)はコンセンサスの16万人増に対し、22万人増でした。これを見る限り、足元の景気は悪くありません。
それに、先週のNYダウ、S&P500指数、NASDAQ総合株価指数はそろって、史上最高値を更新しています。抜群に強い動きでした。このため、7月30~31日のFOMCでは「0.5ポイントの利下げが確実」とみられていましたが、「0.25ポイントの利下げにとどまる」とか、「いや、そもそも利下げはない」に変化しています。
大幅な利下げ期待の剥落はNY市場にはマイナス材料ですが、東京市場には円安を通じ、メリットを与えます。もっとも、円安がただちに、輸出関連株の反発にはつながっていません。ここでの円安にはマーケットが「信頼性が乏しい」と考えているのでしょうか。
次に、NY市場と東京市場の連動性が薄れている要因にはGPIF、日銀ETFの買いがありそうです。配当金の再投資(約7兆円)もありました。一方、上値を抑える材料には7月21日投開票の参院選挙、日韓経済摩擦などがあります。
参院選挙については「与党有利」と報道されていますが、こればかりはフタを開けてみないと判かりません。加えて、突然の年金問題の出現、野党は32の1人区に統一候補を擁立などの影響が未知数です。
韓国に対する半導体原料の輸出規制は大きな話題となっています。ただ、ネット上では「良くやった」との声があふれています。若者は日本政府の行動を福島産水産物の輸入禁止措置、徴用工、慰安婦問題などでの韓国側の対応に、「我慢に我慢を重ねての決断」と、受け止めているようです。
まあ、“紛争”は早急に解決して欲しいと思っていますが……。1ヵ月後には米マイクロンの広島工場(半導体)の増産工事が完了します。恐らく、このタイミングでの輸出規制はトランプ大統領に事前に伝えられており、「了解済み」なのでしょうね。
『杉村富生投資サロン』(杉村富生)より引用。
先週の雇用統計の結果や米国株の好調から利下げの期待は弱くなる一方で、日本市場には参院選や年金問題に加えて日韓経済摩擦で上値を抑える材料が残っています。杉村先生が指摘されているように方向感の乏しい相場展開では、先に挙げられた材料に変化があるまでは様子見でも良いかもしれません。確実なのは、もうすぐ予定されている参院選挙後に注目です。(編集部)
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