米利下げは織り込み済み。8月の円高リスクには細心の注意を!
GogoJungleが提供している江守哲さんの投資メルマガ「江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー」より、今朝配信されたものからほんの一部をご紹介。今回は、ドル円のトレード戦略をご覧ください。
〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は小幅下落。米利下げ観測の高まりを受けた海外市場のドル売りが一巡した。前日は、パウエルFRB議長が議会証言で、7月末のFOMCでの利下げの可能性を強く示唆し、6月開催のFOMC議事要旨でも会合参加者らが既に早期の金利引き下げを視野に入れていたことが判明した。このため、ドル売りが活発化し、ドル円は一時107.85円まで下落した。しかし、その後は米長期金利の持ち直しなどを背景に、ドルを買い戻す動きがみられた。6月の米消費者物価指数(CPI)と新規失業保険申請件数がともに市場予想に比べて良好な内容となったことを受けて、ドル買い・円売りの流れがさらに進んだ。パウエルFRB議長は11日の上院銀行委員会証言でも、今月末の利下げを改めて示唆したが、すでに織り込まれたといえる。ユーロドルは1.22ドル台半ばで推移。ポンドドルは小幅上昇。ただし、英景気への懸念やEU離脱期限が迫っていることから、上値の重い展開にある。
【通貨トレード戦略】
ドル円はロングを維持します。ただし、そろそろ上値に近いと感じます。いったん手仕舞いでもよいでしょう。少なくとも半分程度は利益確定売りを入れたいところです。パウエルFRB議長の議会証言はすでに織り込まれたといえます。これでドルが一方的に下げるとは考えにくいところですが、今後は株価動向に注意が必要でしょう。目先は109円で打たれたようにみえます。これで108.50円を下回ってくると、徐々に下落リスクが高まっていきます。108円を割り込むとさらに下値を試すことになります。107.50円を割り込むと、基調は下向きになるでしょう。米利下げと日銀の政策の手詰まりを考えると、いまの市場で円安方向に行くのはかなり難しそうです。また、株式市場でも徐々に警戒感が高まりそうです。特に米国株が上げすぎています。調整すればリスクオフとなり、安全資産として円が買われやすくなるでしょう。日本株も調整のタイミング徐々に近づいているように見えますので要注意です。
市場はいまの低ボラティリティに対する警戒を明らかに怠っているように見えます。このようなときに仕掛けられると、ひとたまりもありません。いまはかなり慎重なポジションにすべきでしょう。これは為替ポジションだけでなく、あらゆる資産クラスに関して言えるでしょう。資産売却の動きが進めば、円高になってしまいます。そのような動きに対処できるようにしておくことが肝要です。今年は8月と11月が重要であることは、年初から申し上げています。その8月が近づいているため、準備を怠らないようにしたいところです。8月の円高リスクには細心の注意が必要でしょう。年末まで最大で96円までの下げの可能性があります。この点も念頭に置いておきたいところです。
ユーロ円はロングを維持します。
ユーロドルはロングを維持します。
ユーロポンドはロングを維持します。ポンド円はショートを維持します。
ポンドドルはショートを維持します。豪ドル円はショートを維持します。
豪ドル/米ドルはショートを維持します。南アランド/円はロングとします。
米ドル/南アランドはショートを維持します。トルコリラ/円は見送りとします。
米ドル/トルコリラは見送りとします。NZドル/米ドルはショートを維持します。
米ドル/カナダドルはショートを維持します。
米ドル/メキシコペソはロングを維持します。新興国通貨は変動が激しいので、ポジション量は主要通貨の4分の1以下にしましょう。また、無理にポジションを取る必要もないと思います。
『江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー』(江守哲)より引用。
今後に予想される円高リスクを考慮しておくことが重要だと江守さん。パウエルFRB議長が利下げを示唆したようですが、市場では限定的な動きに留まったようです。株価の調整がいつ起こるか分かりませんが、備えておく必要がありそうです。(編集部)
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