人気沸騰中の平行チャネルマスター蜂屋すばるさん6000文字インタビュー「実況付き録画したトレードを毎日見ることで自分を理解し、感情を制御できる手法を作りました」
蜂屋すばるさんプロフィール
チャネルラインのみを用いたシンプル、それでいて実用的なチャート分析で人気急上昇中。ツイッター、ブログ、YouTubeで日々の相場観を発信中。
ブログ:https://beestore.jp/
Twitter:https://twitter.com/m45fx
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCSHFi0CsLjTA6R8rLMBJ0BQ/
※この記事は、FX攻略.com2019年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
●聞き手:鹿内武蔵(FXライター)
FXを始めたきっかけは騙された友人の仇討ち
鹿内 どんなきっかけでFXを始めたのか教えてください。
蜂屋 FXは大学生時代に始めたんですが、きっかけはちょっと特殊です。一番仲が良かった友人が、投資詐欺に遭いました。56万円くらいのDVDを買うと、日経平均先物か何かにレバレッジをかけて取引をする手法が分かるという内容だったと思います。そういう大学生を狙った詐欺が当時多かったですね。
鹿内 今も同じような話を聞きますから、いつの時代でもそういう手口はあるのかもしれません。
蜂屋 そうですね。今はUSBメモリを高額で売りつけるみたいなのが多いかもしれません。
その友人は学生ローンを3社くらい組まされていました。それでお金がないので、口座開設の入金ボーナスで取引をするわけです。そしてそのDVDを別の友人に紹介して購入まで至ると、8万円の紹介料が入る、というものでした。
これに引っかかった友人がすごく落ち込んじゃって、僕も学生ローンを返すのにお金を貸したりしました。
鹿内 大学生で50万円は大変な金額ですよね。
蜂屋 そうですね。もちろん僕にもそんなお金はないですから、アルバイトをして貯めていたお金を貸しました。
この事件を通じてものすごく怒りが湧いてきまして、投資のことを徹底的に調べました。これがFXとの最初の出会いです。
鹿内 確かに特殊です。
蜂屋 もちろんこんな出会い方ですから、投資に対して良いイメージはないんですけど、心のどこかでお金を取り返してやりたいなと。詐欺に遭ったのは友人ですが、自分としてもすごく悔しくて。
調べていくうちに、投資で勝っている人はいるんですね。そういう人たちと騙される学生の違いは何だろうと考えた答えは、知識の差です。もちろん悪いのは騙す人たちですが、知らないのもいけないことだと思いました。
鹿内 FX以外の投資はやっていますか?
蜂屋 FXを始めてから、仮想通貨はやりました。でも株はやっていません。
鹿内 その中でFXを選択したのはどういう理由があったのですか?
蜂屋 仮想通貨のボラティリティが下がったのが大きいです。今ならもう同じ手法でも、FXの方が利益は大きいです。
あとは初心者時代にFXで結果が出てないのに、他の投資をやっても仕方ないだろうと思っていました。まずはどれか一つを極めようと。それとFXは銘柄が限定されているので、それほどたくさんの銘柄を監視できない自分の手法にも合っている気がします。
自分のトレード実況をひたすら見直す日々
鹿内 FXを始めたばかりのころに取り組んでいたことを教えてください。
蜂屋 15分足から1分足を使ったスキャルピングです。
鹿内 今のトレードスタイルからはちょっと意外です。
蜂屋 いろいろ調べたら、稼いでいるトレーダーにスキャルパーが多かったというのはありますね。そういう目立っている人たちに憧れて、短期売買にのめり込んだ時期がありました。今思えば甘い考えなんですが。
鹿内 スキャルピングをやってみてどうでしたか?
蜂屋 難しかったです。利益はそれなりに出せても、典型的な利小損大でした。勝率は良くても、損切りができない。そして浅く利食いした後も、どんどんトレンドが伸びていく。何か根本的なところに問題があったのではと感じました。
鹿内 その時期のトレードで、記憶に残っている手痛い失敗はありますか?
蜂屋 取り返そうとするトレードで、大きくやられたことです。1ロットを張って負けたら2ロット張るというギャンブルみたいになっていて、今思えば教科書に載る悪い例のようなトレードをしていました。その根底には、熱くなってしまう自分の性格があって、そこをちゃんと理解していませんでした。自分を知らなかったですね。
鹿内 その後はどのようなトレーニングをしましたか?
蜂屋 短期的な売買は続けていましたが、インジケーターを変えたり、本を読んで内容を試したり、ブログを読んで真似をしたり、電子書籍を買って手法をやってみたり、有名トレーダーさんのやり方を取り入れてみたりと、できることは全部やりました。また自動売買もうまくいかなかったです。
鹿内 そこから今の長期的なトレードスタイルに落ち着いたきっかけは何だったのですか?
蜂屋 自分の行動を記録するようにしました。トレードムービーを撮るようにしたんです。
鹿内 ノートではなくムービーですか。
蜂屋 はい。自分がトレードをしている間、ずっとマイクで解説をしながら動画を撮るんです。
鹿内 実況のような。
蜂屋 そうです。まさにトレード実況です。意識的に、自分が今考えていることは全部発声しました。「今、落ちてきているな」「三尊ができそうだな」「ここで安値を割ったら売ろうかな」のように。その映像を次の日に見ると、自分の感情が揺れていたり、視野が狭くなっていることが分かるんです。自分で自分を観察できたんですね。
鹿内 動画は聞いたことがないです。
蜂屋 Excelなどにまとめて後で読み返しても、自分の都合の良いように解釈したりします。動画なら、まさにそのときどう思っていたか、何を感じていたかが残せます。こうして自分を省みると、やはりFXは自分との戦いだと思いました。そして自分がせっかちなことがよく分かりました。
鹿内 すさまじいトレーニングです。自分の動画を見るのって、精神的にきつくないですか?
蜂屋 めっちゃきついです。負けるトレードはもちろん、勝って喜んでいるのを見るのも恥ずかしいです。作業的にも面倒だし、時間もかかりますが、それでもトレードで負けるよりマシだなって思って。これくらいやらないといけないくらい、自分はトレードで負けているんだと思ったんです。このときやっとスタートラインに立てました。
よろしいですか?