銅急落 長期下落場面か[佐藤りゅうじ]
佐藤りゅうじさんプロフィール
さとう・りゅうじ。1968年生まれ。1993年米大卒業後、マーケティング会社を経て、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(後の株式会社オーバルネクスト)入社。マクロ経済分析をはじめ、為替、商品、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年より「エイチスクエア株式会社」を起業、アナリストレポート等を執筆、「FOREX NOTE 為替手帳」等の企画・出版を行う傍ら、投資関係のラジオ番組キャスターを務める。個人トレーダー。国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト。ラジオ日経「ザ・マネー ドイサトの相場予測」(月曜15:00〜)メインキャスター。
公式サイト:佐藤りゅうじブログ
※この記事は、FX攻略.com2018年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
景気のバロメーター
景気のバロメーターといわれる銅価格が、急落しています。銅価格の過去の値動きをみると、上昇しているときは好景気を、逆に下落しているときは景気のピークアウトを示唆していることが多いです。今回の急落の背景、そして今後の見通しについて考えてみたいと思います。
銅を取り上げるのは1年ぶりになるので、銅がなぜ「景気のバロメーター」と呼ばれるか、簡単に説明します。銅は、耐腐食性、導電性、熱伝導性、殺菌性、加工性等に優れているため電線・電子機器のパーツをはじめ、さまざまな用途で使われ、多くの産業を支える存在であるといえます。よって、銅需要は住宅、公共インフラ、製造業の実態を映し出します。
その一方で、供給が安定しているため、需要の増減は銅価格に比較的素直に反映します。これが、銅が「景気のバロメーター」といわれる所以です。そして、銅の国際指標価格となるのは、ロンドン金属取引所(LME)に上場されている銅3か月物になります(チャート①参照)。
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