元為替ブローカーから学ぶ売買プランの作り方|第19回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析⑫[浅野敏郎]
浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。
※この記事は、FX攻略.com2018年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
浅野敏郎さんプロフィール
あさの・としろう。東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。
揉み合い濃厚な展開が続く
チャート① 出所:TradingViewによるUSDJPYチャート
週足分析の前に今回の変更点です(チャート①)。高値Pがひとまず確定し、M-N-O-Pの三波動が完成しましたので、M-Nmidを削除しました。本来は新たにM-Pmidを追記すべきですが、あと4週間は基準線が相当するので保留します。いまだに上値が重い一つの根拠として、高値J以降の下落がまだ完全に否定されていない点が挙げられ、J-K-LのN計算値は有効ではありますが、現実的には安値Mを割り込むまで不要ですので一旦削除とします。一方、最後の上昇波動となったO-Pのmidを追記しました。
さて週足分析ですが、この1か月で上昇目線も再考が必要になり、再び揉み合いが順当な展開となっています。その理由として、①M以降の上昇波動が一旦時間切れとなった②この流れで高値Lを更新できなかったこと等に加えて、③L-Mの下落時間の21週に対して、M以降の上昇時間が8月13日週で21週を迎え、M以降の上昇力がL-Mの下落力に及ばなかったことが証明されました。
Pから現在に至る下落も、前週比較で下値・上値を共に切り上げたのはわずか1週で、転換線はサポートからレジスタンス気味に機能している上に、高値N水準を既に割り込み、O-Pmidもサポートできない現状は上昇目線にとっては悪材料です。
一方で、下落再開とも言いにくいのは、受動的にしても再び先行スパンの上に出たことや、転換線が早々に逆転するか、基準線が下落するにはMを割り込む急落が必要なことから、それも現実的ではありません。また一目均衡表各線の位置関係は、依然として強い上昇を示唆しており、いつでも高値を追える値動きが期待できる状態です。
とは言うものの、目先で上昇の手がかりになるのはI-J-M-Pの三波動目が伸びる見方しかできず、残すところ、M-PまたはO-Pを第一波動とする流れを見ていくしかなく、結局はL-Mのどちらかに抜けない限り、その揉み合いの中での推移であることはご理解いただけますね。
よろしいですか?