FOMCの結果は想定通り。8月は今年2回目の鬼門?[江守哲氏メルマガより]
GogoJungleが提供している江守哲さんの投資メルマガ「江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー」より、今朝配信されたものからほんの一部をご紹介。
〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は上昇。FOMC後の会見で、パウエル議長が追加利下げに慎重な姿勢を示したことから、円売り・ドル買いが優勢となり、108円台後半を付けた。FRBはこの日、10年7カ月ぶりの利下げを発表。貿易摩擦や世界経済の減速で不透明感が強まる中、景気が悪化するリスクを警戒し「予防的」な0.25%ポイントの利下げを決めた。ただし、パウエルFRB議長は記者会見で、追加利下げについては明言せず、含みを残すにとどめたため、円相場は一時109円ちょうどまで下落した。市場では、緩和サイクル開始を必ずしも意味しないとの パウエル議長発言から、FRBが追加利下げを決める条件のハードルは高く、ややタカ派姿勢との受け止め方が広がった。そのため、米長期金利が上昇し、米国株が大きく下落し、ドルが買い戻されている。ユーロドルは1.11ドルを割り込み、17年5月以来の安値をつけた。
【通貨トレード戦略】
ドル円は見送りとします。109円まで上昇しましたが、ここで買うのは避けたいと考えます。買われすぎ感が強いことや、8月は円高になる傾向がきわめて鮮明です。いまの水準でも売りたいところですが、もう少し状況を見極めます。少額であれば、逆張りですがショートでも面白いかもしれません。むしろ、いまはクロス円や他通貨ペアの方が動きは大きいため、それらをトレードの中心に据えたほうが、収益機会があるでしょう。ドル円は107円と109円のレンジです。したがって、これを大きく抜けないと、次のポジションはとりづらいとこ ろです。トレードするにしても、あくまで超短期的なものになるでしょう。個人的には、そのようなトレードはしないため、できれば大きなトレンドが出やすいところで参入したいと考えています。
FOMCの結果は想定通りでした。やはり、パウエル議長はタカ派です。利下げをしたくないとのスタンスがはっきりしました。これでは、利下げ期待の株高・ドル高・金利低下は見込みづらいでしょう。特にいまの市場は低金利を大前提にしていますので、これが崩れると非常に危険な状況です。市場があまりに楽観的というか、無防備になっているように思います。最終的には社債のデフォルトや金融機関の破綻などがトリガーになり、金融市場の混乱が起きると考えています。
繰り返すように、ドル円は8月に下げやすい傾向があります。これは過去データでもかなり鮮明です。また、データでは、日本株も今年は8月以降、年末にかけて大きく下落する可能性がきわめて高いことが示されています。このデータを重視するのであれば、戦略は決まってきます。円先物ポジションもほぼフラットで、偏っていない状況です。どちらにも動ける状況ですので、投機筋はトレードしやすい体制にあります。動き出したほうにポジションを傾けてくるでしょうから、動き出すとかなり大きな動きになる可能性があります。久しぶりにドル円 で収益機会が出てくる可能性がありそうです。
8月は今年の第2の鬼門になるとみています。5月、8月、11月が今年の鬼門としてきましたが、まず5月に強烈な株安が来ました。次は8月です。今日から8月に入りました。きわめて慎重かつ注意しながら市場動向を見ていったほうが良いでしょう。そして、総仕上げは11月です。このときには、米国株にもリスクが高まっていると考えています。リスク資産の売却の動きに注意しておきたいところです。円高基調が鮮明になった場合には、年末まで最大で96円までの下げの可能性があるとみています。
あと、全く根拠があるわけではありませんが、8月は地震にも要注意でしょう。何か嫌な予感がします。
投資戦略対象の通貨ペアを変更します。新興国通貨は変動が激しいので外します。 主要通貨のペアを主体的に行うようにいたします。 対象は円、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドルとします。 いまはカナダドルやNZドルが最強通貨になっています。
ドル円:なし
ユーロドル:ショート
ポンドドル:ショート
豪ドル/米ドル:ショート
NZドル/米ドル:新規でショート
米ドル/カナダドル:ロング
ユーロ円:ショート
ポンド円:ショート
豪ドル円:ショート
NZドル円:ショート
カナダドル円:なし
ユーロポンド:ロング
ユーロ豪ドル:新規でロング
ポンド豪ドル:ショート
ユーロNZドル:なし
ポンドNZドル:ショート
ユーロカナダドル:ショート
ポンドカナダドル:ショート
豪ドルカナダドル:ショート
NZドルカナダドル:なし
『江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー』(江守哲)より引用。
FOMCの結果は予想された通りでしたが、今後のさらなる利下げについてはFRB議長の発言から難しいとの見方が強いようです。(編集部)
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