“マーケットの語り部”こと雨夜恒一郎の基礎からわかるファンダメンタルズ講座|第5回 金利とインフレが市場に及ぼす影響について
FXでは相場分析にテクニカルを活用する人は多いですが、相場を正確に分析・判断するためにはファンダメンタルズも必要不可欠です。ここでは雨夜恒一郎さんにファンダメンタルズの奥深さと活用方法について解説してもらうので、EMAいったんと共にしっかり学習していきましょう。
講師・雨夜恒一郎
あまや・こういちろう。20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴を持つ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。
受講者・EMAいったん
いーえむえーいったん。順張りをこよなく愛し、順張りの素晴らしさを伝えるために活動中。でもたまに逆張りもします。
公式サイト:EMAいったんのブログ
※この記事は、FX攻略.com2019年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
金利を分析することで為替の動きが読める
いったん 前回は米雇用統計と米連邦公開市場委員会(FOMC)声明の重要性を学びました。今回は雨夜さんに「金利とインフレと為替相場の関係」について教えていただきたいと思います。
雨夜 われわれのような為替の分析をする人間は為替よりも金利の分析をします。為替市場は常に他の市場を見ながら動いており、独自の動きをすることはほぼありません。為替市場の動きのほとんどは金利と株で説明することができます。ファンダメンタルズを理解することで、相場がなぜ動いているのか説明できるようになります。なぜなら現在の市場は過去からの続きだからです。過去にこのような理由で動いていたので、将来はこのように動くだろうと予想することができます。これがファンダメンタルズ分析の一番重要なところです。
いったん 金利を分析するということですが、なぜ金利が重要なのですか?
雨夜 金利とは、その通貨から得られる利益そのものだからです。例えば、米ドルを買うと米ドルの金利がもらえます。もらえる金利が増えれば、その通貨は人気が出てきます。ですから金利と為替は正の相関関係があると考えても差し支えありません。つまり、金利の高い通貨は人気が出やすく買われやすいということです。ただし高金利通貨には、金利が高い理由があります。金利には名目金利と実質金利があります。名目金利はインフレ率を含んでおり、実質金利はインフレで目減りする分を除いています。今回はこの説明をしていきたいと思います。
よろしいですか?