意外と知らない「くりっく365」入門|第2回 店頭取引と取引所取引を比較[大西洋平]
大西洋平(おおにし・ようへい)さんプロフィール
金融ジャーナリスト。出版社勤務を経て95年に独立し、マネー誌やビジネス誌、週刊誌などに金融経済分野を中心とした記事を寄稿。市場の最前線で活躍中のアナリストやストラテジスト、さらに上場企業トップの取材も多数手掛ける。FXをはじめ、金融取引全般に精通。
※この記事は、FX攻略.com2018年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
取引所取引の方が業者の比較がラク
一般的なFXが店頭取引であるのに対し、「くりっく365」は取引所取引です。今回は、両者の違いについてきちんと説明しておきましょう。まず、店頭取引は各々のFX会社が自らの裁量と責任に基づいて、取引を仕切っています。いわゆる相対取引で、FX会社が独自に条件(スプレッドやスワップなど)を提示し、それに応じた投資家が売買を行います。
これに対し、取引所取引はいずれの取扱会社経由であっても、共通の取引所(東京金融取引所)においてトレードが行われています。レートをはじめとする条件は取引所が提示しているもので、取扱会社ごとに違いはありません(ただし、取引手数料が別途かかる取扱会社もあり、その設定は各々で異なる)。
実は、外国為替市場(インターバンク市場)自体も相対取引によって売買が行われています。銀行や為替ブローカー(仲介業者)が条件を提示し、それらに応じれば取引が成立していくという流れです。個人投資家はインターバンク市場への参加が認められていません。そこで、FX会社は同市場に出ている売買条件を踏まえて独自にスプレッドなどを提示し、それに応じた個人投資家の注文を取り次いでいるのです。
言い換えれば、FX会社が個人投資家に提示しているレートなどは、その時点でインターバンク市場に出ているものと同一ではありません。仲介手数料に相当するスプレッドが上乗せされており、その値幅は個々のFX会社で異なっているわけです。当然、投資家側にとって有利な条件を提示しているところもあれば、高いコスト負担となっているところもあります。
つまり、店頭取引を利用する際には各々のFX会社をシビアに比較した上で、最も良心的な条件を提示しているところを選び抜く作業が不可欠なのです。コスト負担が重ければ重いほど、せっかくの利益が目減りしてしまうからです。その点、「くりっく365」は取扱会社が十数社に絞られていますし、スプレッドは共通しているので、取引手数料の違いを比較すればそれで済みます。
よろしいですか?