現役為替ディーラーが何でも答えます!みんなのQ&A[トレイダーズ証券みんなのFX 井口喜雄]
疑問をぶつける相手はいないし、調べてもよく分からない…。そんな悩みがあったら、この企画にお任せください。トレイダーズ証券の井口さんが、あなたの質問を解決します!
井口喜雄さんプロフィール
いぐち・よしお。トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。
Twitter:https://twitter.com/yoshi_igu
※この記事は、FX攻略.com2018年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
Q23.プロのディーラーがどのような1日を送っているのか気になります。情報収集や相場分析、取引をする時間はだいたい決まっているのでしょうか?(高知県/20代/男性)
A.プロディーラーの1日のスケジュール、情報収集や相場分析時間を紹介します
5:30 起床
マーケットに携わる人たちの朝は早く、私の場合も5時30分くらいに目が覚めます。起床後は条件反射的にチャートを開いてレートチェックをする他、昨夜のNY市場の値動きやポジションの確認を行います(ほぼ職業病です)。そして朝食をとりながらも日経チャンネルやモーニングサテライトなどの番組を見て昨夜の値動きを確認します。また通勤中も電車の中でなるべく多くの情報を拾っていきます。
7:00 出社
出社後にはナイトデスクから昨夜のNY市場での詳細報告を受けて東京市場がどう反応するのか戦略会議を行います。ここでは各ディーラーそれぞれの方向感や情報面での擦り合わせをしていきます。この戦略会議で重要なことはディーラー同士の意見をぶつけ合わせることです。多種多様な考え方を吸収して偏った相場観をなるべく持たないようにしています。そして、最終的にディーリングのチームとしてどのような方針でトレードを行うのかを決めていきます。
ちなみに、社内での情報収集はブルームバーグやロイターを見ていますが、最近ではツイッターなどのSNSも利用しています。その他では他社ディーラーやマーケット参加者のチャットルームもあって、積極的に意見交換を行っています。
9:00 東京市場(午前)
東京市場は実需取引が多いのが特徴です。企業の決済が多い日(5日・10日)には、当日に必要なドルを手当てするため、仲値が決まる9時55分にかけてドル買い需要が強まりやすくなります。また、米中貿易戦争から注目度の高い中国関連では10時15分に人民元の基準値が発表される他、10時30分に上海総合指数がオープンするなど午前中は見るべき指標も多く、結構忙しくしています。
よろしいですか?