米中問題だけでなく、欧州でも政治リスクが出現! 円高の波はもう一度来るのか?[江守哲氏メルマガより]
GogoJungleが提供している江守哲さんの投資メルマガ「江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー」より、今朝配信されたものからほんの一部をご紹介。
〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は下落。米長期金利の低下などを背景に円買い・ドル売りが優勢となり、106円台前半に下落した。ただし、21日のFOMC議事要旨の発表と23日のパウエルFRB議長による講演を控えて様子見ムードが広がる中、小幅な値動きにとどまった。市場では、米中貿易戦争の激化や「長短金利逆転(逆イールド)」の出現を受けた景気後退懸念などを背景に、パウエル議長が追加利下げを示唆するかに注目している。一方、イタリアのコンテ首相は、連立与党内での対立激化を受けて辞意を表明。政局への不透明感が強まったが、市場への影響は限定的だった。
ユーロドルは1.11ドルをわずかに下回った水準で推移。ポンドドルは下落。EUはジョンソン英首相が求めるEU離脱協定案の再交渉に応じない姿勢を鮮明にした。協定案の争点とされるアイルランド国境問題の解決策 「バックストップ」について、英国が「現実的な代替策」を提示していないと批判した。
【通貨トレード戦略】
ドル円は見送りとします。株式市場と同様に、方向性のない展開にあります。いまはまだ105円と107円レンジです。このレンジを抜けたほうに動きやすいと考えるのがセオリーでしょう。そのうち大きな動きにつながっていくと思われます。いまはその準備をしておく期間と割り切って、市場から目を離さずにじっくりと見極めたいと思います。可能性としてはやはり下方向を見ています。したがって、戦略としては105円割れでのショートと考えています。材料も様々なものが交錯していますが、市場を動かすにはまだ力不足のようです。しかし、「8月の円高」がこれで終わったと考えるのは早計過ぎるでしょう。もう一段の動きを待ちたいと思います。トランプ大統領が再びFRBをけん制しています。ドル高は避けたい意向のようです。また、欧州でも政治に少し動きが出てきました。市場がこれらを材料視すると、動き出すかもしれません。ユーロとポンドの動きにも注意が必要でしょう。これらの通貨もそろそろ動きが出てきそうです。それについていくのが得策でしょう。また、トランプ政権が減税を打ち出す可能性が出てきました。米財政の悪化はドル安要因です。これも過去データからかなり明白です。今後はドルが上がりづらくなりそうです。
あとは欧州政治の混乱との比較で、どちらが弱い かを市場が判断することになります。また、豪ドルやNZドルもそろそろ動き出しそうです。準備をしておきたいところです。 8月は円高確率がきわめて高い月であることを再確認しておきます。7月末が108.74円で引けていますので、すでに十分に円高になっているとも言えます。しかし、この水準を超える可能性はきわめて低いでしょう。トランプ政権になってからは、114円が天井であり、6円単位で値幅が形成されています。つまり、114円から6円引いた水準が108円であり、さらに6円引くと102円になります。ここが重要なサポートです。これも割り込むと、繰り返し今年の下値と指摘している96円が視野に入ってきます。値幅通りに動くかは不明で すが、一つのターゲットとして見ておきたいところです。
『江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー』(江守哲)より引用。
伊国の政治混乱、英国ではブレグジットの行方に暗雲と、欧州の政治リスクが高まっています。注目は本日に発表されるFOMC議事要旨の発表、今週末のパウエル議長の発言です。景気後退懸念が強まる中、対応策はあるのでしょうか。(編集部)
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