元為替ブローカーから学ぶ売買プランの作り方|第31回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析(24)[浅野敏郎]
浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。
※この記事は、FX攻略.com2019年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
浅野敏郎さんプロフィール
あさの・としろう。東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。
新安値Sは目先の底値となり得る?
先月号のドル円相場は高値Rから急落後の翌週時点の下値を模索している段階でした。以降、相場は比較的値幅のある上下を繰り返すといった一種の下値波乱を演じつつ、2018年以降の新たな安値を付けたのが唯一の進展でした。よって、今月の週足チャート①の変更点はこの新安値をSとして追加し、これまでレンジの下限として想定していたMをSに変更、月足先行スパンの下限を示していたR付近の水平破線は、既に遠ざかったため削除しています。
チャート① 出所:TradingViewによるUSDJPYチャート
では、週足チャート①の分析から。まず、半値水準として新たにP-SmidやR-Smidが目先の重要な水準なのは既にご理解されると思いますが、高値Pからの下落がまだ若く、それぞれ基準線と転換線が該当している格好です。ここまで能動的に下値を切り下げてきた相場ですが、安値Sを目先の下値とするなら、転換線はあと4週間この位置で水平に推移し、高値Rを更新しない限りその後は受動的な下落期に移行しますから、その際の相場が転換線に準じた下落をするのか揉み合うのかが注目点で、例えば、転換線に頭を押さえられる推移なら下落再開も視野に入るでしょう。
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