相場で生き残るためのテクニカル特化型戦略|第4回 値動きから探す損切りポイント[田向宏行]
この連載では専業トレーダーの田向宏行さんに、テクニカル分析に特化したトレードテクニックを数回にわたってレクチャーしてもらいます。今回のテーマは、トレードをする上で欠かすことのできない「損切り」です。相場の値動きから損切りポイントを探す方法をマスターしましょう。
※この記事は、FX攻略.com2018年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
田向宏行さんプロフィール
たむかい・ひろゆき。大学卒業後、資格試験に挑戦するが挫折。就職できず仕方なく起業。事業経営の間に投資を開始。事業譲渡後の現在は個人投資家。FX会社のセミナー企画・構成も手がけている。著書に『臆病な人でも勝てるFX入門』(池田書店)、『1日2回のチャートチェックで手堅く勝てる兼業FX』(自由国民社)。
収益のための損切り
ファンダメンタルズ分析では分かりにくい取引のタイミングを示してくれるのが、テクニカル分析の利点の一つです。FXトレーディングは、「どこで入って、どこで出るか」を突き詰める仕事なので、それぞれのタイミングがとても重要です。特にエントリータイミングは、誰もが気にしています。
すると、テクニカルに興味を持った多くの人は、より効率的なエントリータイミングを探すことでしょう。チャートにさまざまなテクニカル指標を表示させて、できるだけ良いタイミングで取引を始め、利益を最大化できる方法を探そうと思うからです。ただ、このとき見落としがちなのは、「入口は一つでも、出口は二つある」ということです。利益を最大化する「利確」という出口はもちろん大事ですが、それ以上に「損切り」という不幸な出口をどれだけ突き詰めて考えられるかで、トータルとしての収益が大きく左右されます。
FXの熟練者は、まず損切りを検討します。「どのタイミングなら想定損失幅を小さくできるか」「このタイミングで取引したら、損切り幅がどうなるか」ということに注目して戦略を立てるわけです。たとえ取引の勝率が高かったとしても、どんなに利益を得ても、大きな損失を被ったら、それまで積み上げた収益が吹っ飛んでしまいます。コツコツドカーンといわれるのは、まさにコレです。
自分に合ったテクニカル・ルールや取引戦略を考えるとき、大事なのは適切な損切りポイント探しなのです。損切りという自分にとって都合の悪い出口を考えた上で、入口のタイミングを精査すると、トレードの質が高まり収益も良くなります。損切り幅が大き過ぎれば、あえて取引を控える、という戦略もあるわけです。
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