香港「大規模デモ」まだ日本株が“もっている”根拠のダウの3乖離合計 井上哲男氏
日本株の下落はいつ起きるのか、否、まだ落ちない根拠を本日の記事で展開した井上哲男氏
ダウ及び日経平均の3乖離合計(5日、25日、75日)のグラフを用いて解説されています。
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井上哲男氏記事 配信日:2019/11/12 08:30
潮流908 RSI合計_3乖離上値メド2
「Sign」に記したように、「RSI合計(RSI14日の5日平均+10日平均)」の値は、170.83%。先週金曜日にお伝えした173.10%から、昨日の173.04%に続き下落となった。
本日も昨日と同じく、“次に注目すべき”3乖離合計(5日、25日、75日)のNEWグラフの方を添付(グラフ1)するが、この値は昨日13.23%と、前日の12.71%からさらに0.52%上昇している。それまでの前日比の値(直近より)である、+0.60%、+0.74%、+0.40%、+0.56%と遜色のない上昇幅であり、まだ、天井打ちとはなっていないが、繰り返すが法定速度外(+10%-+15%)の上限にまたも近づいている。
昨日、アジア市場は中国、香港を中心として下げが目立ち、香港のニュース(若者が警察隊の発砲により重体)が流れた際には、日本市場も揺らいだが、それでも終わってみれば日経平均の下落率はたったの0.26%であった。
中国の下げについては、先週金曜日にやはり出た(「潮流」では前日7日の「中国、米国双方の関税撤廃に向けた両国間合意」という中国発の材料に対して、米国の後場の動き、WSJの見方も含めて冷静に伝えたつもりである)トランプ大統領の否定発言を受けてのものであり、昨日の上海総合の下落率1.82%は、7/8の2.58%以来、3ヶ月ぶり以上の大きなものであり、香港の下げは、大規模デモ(先週の学生の死亡事件への抗議デモ)が行われている最中の上記ニュースを受けたものである。
その香港(ハンセン指数)の下落率は実に2.62%と大きなものであったが、これは8/5の2.85%以来の数値である。
この8/5に何があったかというと「8・5 大規模ストライキ」であり、空港を含めて閉鎖状態となった日である。「大規模ストライキ」の呼びかけが、現在は「大規模デモ」となっている。いずれにせよ、香港は混迷の度合いが一向に収まっていないということだ。
そのような中にあって、上記のように日本株は落ち着いた動きを見せ、JASDAQについては(終値ベースの)年初来高値(安値はアップルショックを受けた大発会)を奪取した。
そして、同じように冷静な態度、というよりも、アジアのネタや他国の地政学材料では動かない姿勢を堅持したのが米国市場であった。
昨日はベテランズ・デー。債券市場は休場であるが、通常開場である、株式市場、商品市場に加えて、為替市場では特に商いが細ることで知られている。なぜかというと、為替の業者である銀行自体がバンクホリデー(銀行休業日)であり、業者としても、また、投資家としても参加しないからである。
その株式市場における出来高であるが、NYSEの総出来高は760百万株と、10営業日ぶりに8億株を割り込み、低商い状態であったことは確かであるが、これは10月からの平均出来高である826百万株と比べても8%程度の落ち込みであり、そう目くじらを立てるほどの低商いではない。実際、昨年のベテランズ・デーは850百万株以上の商いがあった。バンクホリデーは実質休場というのは株式市場については誤りだということを理解しておいて欲しい。
グラフ2として、ダウの3乖離合計(5日、25日、75日)(5日移動平均)を載せる。まだ日本株が“もっている”根拠である、(今回の)米国株の出遅れ状態を見ておいて欲しい。あと、グラフの目盛り(日米)の差にも注目である。
日経平均の3乖離合計(5日、25日、75日)(5日移動平均)
ダウの3乖離合計(5日、25日、75日)(5日移動平均)
Written by Hayakawa
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