ウォーレン・バフェット現金額が過去最大!いまは株式を購入する時期ではない
江守哲氏の2019/11/13 08:12配信の【11月13日のトレード戦略】次の動きに備える段階 では、特に米国株、そして、日本株もですが、いまは株式を購入する時期ではないと発言されています。
以下、江守哲氏談です。
ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの現金額が過去最大になっていることを理解しておくべきでしょう。いまは株式を購入する時期ではないと判断しているということです。過去のハイテクバブル時に、ハイテク株を見送り、その後ハイテク株が急騰した際には、「バフェット氏の目も曇ってきた」と批判されました。しかし、その後の歴史的な大暴落を見れば、当時のバフェット氏の目が正しかったことが証明されました。今回もそのようになるでしょう。そうであれば、いまの高値を無理に買う理由はやはりあり得ません。最終的に株価は企業業績に連動します。企業業績に対して割高な株を買う意味があるのか、いまは冷静さが求められるでしょう。
また、金利が上昇してきています。ドイツなどマイナス金利の国債をこぞって買ってきた投資家は、これらの債券を償還期まで保有するのではなく、さらに金利が低下することで債券価格が上昇することで収益を上げるつもりで購入してきました。債券でキャピタルゲイン狙いの投資をしていたわけです。しかし、ここにきてこれらの債券利回りは上昇し始め、価格は下落し始めています。こうなると、投げ売りが出てきます。それにより、金利が上昇するため、さら投げ売りが出てきて金利がさらに上昇します。
このようなスパイラル的な金利上昇になると、世界の多くの投資家が痛みます。いまの債券市場では、過去最大級の債券投資が行われています。多くの投資家のポートフォリオが痛みます。「金利上昇で株高」と判断することは、中長期的にはかなり危険な見方になりそうです。これらから債券バブルが崩壊し、ハイイールド債への投資は完全に崩壊するでしょう。多くの投資家が苦しくなり、最後は株式も投げてきます。これらの動きが連動する形で、リスク資産投資の崩壊が始まるでしょう。1年以内にこのような動きになるとみています。しかし、それまではバブル的な動きになる可能性は十分にあります。
さて、とはいえやはり短期的には過熱しすぎです。したがって、11月に今年最大の調整が来るとの見方は現時点でも維持しておきます。これは年初から申し上げてきたことです。S&P500は下げに転じた場合には、3000、2970、2940にそれぞれサポートがありますので、これらを下抜けるかを確認します。そのうえで、200日移動平均線が位置する2900が意識されるでしょう。これも下回れば、ISM製造業景況感指数との関連でターゲットされる2750前後までの調整が視野に入ることになるでしょう。ここまで下げれば、来年に向けたロングを検討したいと考えます。この考えはこれまでと全く変わりません。
製造業PMIが上向きになってきています。また、中国のOECD景気先行指数がすでに底打ちし、回復過程にあります。これらは来年の株価の上昇の可能性を示唆しています。そのため、今回の下げは、来年に向けた絶好の買い場になる可能性があります。いまはその買い場を待つ姿勢です。安くなったところで買いたいところです。S&P500の動きから、来年は上昇することがわかっています。できればS&P500で2800ポイント以下を狙いたいところです。過去の予防的利下げを3回行ったケースでは、株価は確実に上げています。ただし、大統領4年目の平均上昇率は5%程度です。来年は株価が上昇する可能性が高いといえますが、上昇率は10%を下回る可能性が高いと考えられますので、大きな期待はしないほうが賢明でしょう。
Written by Hayakawa
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