フロー(資金の流れ)の裏を突き詰める[水上紀行]
相場が一方向に動くためには、一方向に向かうフロー(資金の流れ)が必要だと水上紀行さんはいいます。そもそも一方向へのフローは、どのようにして生まれるのでしょうか? 今回はFXのトレンド相場を作り出す資金の流れについて解説してもらいます。
水上紀行さんプロフィール
みずかみ・のりゆき。バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年、上智大学経済学部卒業後、三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。5年間の支店業務を経て、ロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。東京外国為替市場で「三和の水上」の名で知られる。ドレスナー銀行にて、外国為替部長。1996年より RBS銀行にて、外国為替部長を経て、外為営業部長。2007年より バーニャ マーケット フォーカスト代表。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。
一方向へのフローでトレンドが作られる
相場はなぜあるときは一方向に、またあるときは行ったり来たりになるのでしょうか。これは相場の根本にあたることなので大変重要です。
まず、相場が一方向に動くときは資金がその方向にドンドン流れています。相場が上がるときは上げのフロー(資金の流れ)があるということです。それに対して、相場が下がるときは下げのフローがあります。こうした上げのフロー、あるいは下げのフローは主に投資家によって作られており、フローによる一方向の相場をトレンド相場と呼びます。
その一方で、上げにも下げにも安定的な一方向への資金フローがないと、行ったり来たりという動きになります。そのような相場をレンジ相場と呼びます。トレンド相場とは異なり、投資家は不在で投機筋だけの相場です。
投機筋は投資家のように長い期間ポジションを持ち続けることができません。なぜなら、宿命的な弱点があるからです。投機筋は買ったら必ず利食いか損切りのために売らなければならず、売ったら必ず利食いか損切りのために買わなくてはなりません。つまり、投機筋が相場のフローを作るチャンスは非常に限られていることになります。
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